公務員試験の憲法は、法律科目のなかで唯一、導入本を省ける場合があります。中学の公民や高校の政治・経済で下地ができているからです。
私は文学部でしたが、公務員試験を受ける前提で憲法の講義を履修していました。おかげで導入を飛ばしてスー過去から入れています。半年で11科目を回せた理由のひとつがここです。財務専門官・特別区・国家一般職に独学で受かった元公務員です。
そのうえで、判例の扱いだけは手を抜けません。そこを書きます。
この記事でわかること
- 憲法を法律科目のなかで最優先にする3つの理由
- 導入本を省ける人と、省けない人の違い
- 条文ではなく判例から入る理由
- 判例集は公務員試験用に拘らなくていいという判断
- どの試験でも出るので、志望先が変わっても無駄にならないこと
この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。紹介しているのは私が実際に使った本か、受験案内と出版社の情報で現行版を確認した本だけです。リンクの有無で順番を変えてはいません。
公務員試験の憲法は、専門科目のなかで最優先に置く
法律科目は憲法から始めます。理由は3つあります。
忘れにくい
判例問題が多く、具体的な事案とセットで覚えることになる
丸暗記の科目より保ちがいい
他の科目の前提になる
行政法・行政学・政治学・民法に、憲法の知識がないと読めない分野がある
後回しにすると他が止まる
どの試験でも出る
国家一般職5題、特別区の11分野の1つ、財務専門官は必須
志望先が変わっても浮かない
最後の点が実務的に効きます。志望先を決めきれていない段階でも、憲法だけは安全に始められます。国家一般職は16科目から8科目を選ぶ形で憲法は5題、特別区は11分野から8分野を選ぶ形で憲法はその1つ、財務専門官は必須28題のうち「憲法・行政法」が14題です。東京都の専門記述も10科目のうちに憲法が入っています。
どこを受けることになっても使うので、迷っている期間の勉強としてはいちばん損が小さい科目です。科目全体の組み方は専門科目は11科目に収束するに書きました。
憲法は導入本を省ける場合がある
法律科目は導入本を挟むのが基本ですが、憲法だけは例外にできます。
中学の公民、高校の政治・経済や現代社会で、憲法の基本的な枠組みは一度通っている人が多いからです。国民の権利と国家の仕組みという大枠を知っていれば、スー過去のまとめページだけで足ります。民法や行政法のように、初めて見る概念が最初から積み上がる科目とは事情が違います。
私は大学で憲法の講義を取っていたので、導入を飛ばしました。文学部だったので他学部履修です。公務員試験を受けるつもりで意図的に取っていました(公務員試験の勉強を大学の講義で前倒しする)。
省いていい
- 高校で政治・経済や現代社会をやった
- 大学で憲法の講義を取った
- スー過去のまとめページを読んで意味が取れる
判断は1冊試せば分かる
省かないほうがいい
- まとめページの用語が頭に入ってこない
- 判例の結論は読めても理由が追えない
- 統治機構の章で手が止まる
判断は簡単で、スー過去を1章だけ解いてみれば分かります。意味が取れるなら導入は要りません。取れないなら1冊挟んでください。最初から決め打ちで買う必要はありません。本の選び方は参考書の記事にまとめています。
条文からではなく、判例から入る
憲法は条文を覚える科目ではありません。条文の意味が争われた具体的な事案から入ります。
条文そのものは短く、そして曖昧です。たとえば9条は戦争の放棄と戦力の不保持を定めていますが、「国権の発動たる戦争」が何を指すのか、自衛隊が「戦力」にあたるのかは、条文を読んでも書いてありません。その曖昧さをどう埋めたかが判例と通説で、試験が問うのはそちらです。
だから条文の素読から始めると効率が悪くなります。先に事案を見て、争点を知って、結論と理由を押さえる。そのあとで条文に戻ると、どこが争われる部分なのかが分かるようになります。
法律科目は新しい版を使ってください。憲法は違憲判決が出るたびに内容が動きます。非嫡出子の相続分や再婚禁止期間のように、判例が変われば出題も変わる。古い版を安く買うのは、他の科目では成立しても憲法では危ないです。
判例集は公務員試験用に拘らなくていい
スー過去に加えて判例集を1冊持つと変わります。ただし公務員試験用である必要はありません。
スー過去にも判例は載っていますが、事案の流れや判決の理由を解説するというより、理解している前提で確認するための内容です。初めて見る判例をそこで理解しようとすると詰まります。
法学部の学生が新しい科目を始めるとき、教科書と一緒に判例集を買います。判例集には、事案がどう展開したか、裁判官が何をどういう理由で判断したか、その判決がどう位置づけられるかが分けて書いてあります。ネットで判決文を検索しても出てくるのは堅い全文だけで、事案のイメージが湧きません。
ここで多くの人が公務員試験用の判例集を探しますが、私はそこに拘る必要はないと思っています。理由は使い方です。
スー過去に判決の年月日が書いてあるので、索引から引けば該当ページに飛べます。使わない部分は読まなければいいだけ。困るのは載っていないことのほうです。だから収録数が多い一般的な判例集のほうが、結果的に安心して使えます。
公務員試験の解説書では判例集の話がほとんど出てきませんが、出題が条文解釈から判例寄りに動いている以上、ここの有無は点差になります。
公務員試験の憲法に使う参考書と、周回の配り方
過去問集1冊です。導入本を省ける場合がある、という話は上に書いたとおりです。
| 役割 | 本 | 税込・発売日 |
|---|---|---|
| 過去問集 | 新スーパー過去問ゼミ8 憲法(実務教育出版) | 2,420円・2026/9/9 |
| 導入本 | 寺本康之のバイブル系(エクシア出版)。省ける場合がある | ー |
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第8版は2026年9月9日に、行政法・民法Ⅰ・ミクロ経済学と同じ日に出ています。専門は全科目2,420円で揃っていて、科目ごとの価格差はもうありません。
回し方は科目で変えていません。1周目は頻出・重要論点だけを解きます。全テーマはやりません。解いたらすぐ解説を見て、分からなければレジュメページにもすぐ戻る。考え込む時間を作らない、というのが唯一のルールでした。
周回数はここで差を付けています。憲法・行政法・民法・ミクロ・マクロの5科目は3周から5周、それ以外は数周で止めました。間違えた問題はスー過去に付箋を貼るだけで、別のノートは作っていません。勉強時間は1日3時間から6時間で、大学が無い日は多めです。
手をつける順番
憲法を仕上げる順番と、その次に進む先です。
まとめページの意味が取れるなら導入本は買いません。取れなければ1冊挟みます
人権のほうが判例の事案を具体的に追えるので、入り口として軽くなります
スー過去に年月日があるので索引から引けます。通読はしません
民法は私法の一般法で、行政法を深く読むための前提になります。憲法の次は民法です
憲法の次に民法を置く理由は3つあります。民法が私法の一般法なので行政法の理解に効くこと、国家一般職と特別区では民法が2科目10題ぶんあること、事例問題が多く直接の暗記が少ないことです。商法まで手を伸ばす人は、必ず民法の後にしてください。民法の進め方は公務員試験の民法は10題あるに分けて書きました。
法律科目を全部やるかどうかは、志望先で変わります。切る判断は捨て科目は志望先で変わるに、経済学の入り方はミクロの前にもう一段あるに分けて書きました。
科目の選び方は 専門科目は11科目に収束する 併願先の重なりから決める、本の選定は 公務員試験の独学におすすめの参考書 現行版で11科目、経済学の順番は 公務員試験の経済学 ミクロの前にもう一段ある、大学の講義で前倒しする方法は 公務員試験の勉強を大学の講義で前倒しする 専門11科目、憲法の次に置く科目は 公務員試験の行政法は全体像から 判例とセットで覚える にまとめています。
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