同じ大卒程度の試験でも、年齢の線は団体ごとに違います。2026年度の受験案内で数えると、国は1996年4月2日以降の生まれ、東京都は1997年4月2日以降、特別区は1995年4月2日以降でした。名古屋市は、22〜25歳の区分とは別に、26〜39歳の区分を持っています。
私は大学在学中に受けているので、年齢の上限が問題になる立場ではありませんでした。財務局を1年3か月で辞め、のちに公認会計士試験に受かった元公務員です。
公務員試験の年齢制限を大卒程度で並べる
最年長側の生年月日で比べると、特別区の1995年4月2日から大阪市の2001年4月2日まで、6年ぶん開いています。
| 実施団体 | 試験・区分 | 生年月日の範囲 | 案内の年齢表記 |
|---|---|---|---|
| 人事院 | 総合職 院卒者 | 1996年4月2日以降 | 表記なし |
| 人事院 | 総合職(大卒程度・教養区分を除く)、一般職(教養区分以外)、国税専門官、財務専門官 | 1996年4月2日〜2005年4月1日 | 表記なし |
| 人事院 | 総合職・教養区分 | 1996年4月2日〜2007年4月1日 | 表記なし |
| 人事院 | 一般職・教養区分 | 1996年4月2日〜2006年4月1日 | 表記なし |
| 東京都 | Ⅰ類B 行政(一般方式・新方式) | 1997年4月2日〜2005年4月1日 | 22〜29歳 |
| 特別区 | Ⅰ類 事務(春試験・早期SPI枠) | 1995年4月2日〜2005年4月1日 | 22歳以上32歳未満 |
| 大阪市 | 事務行政(22-25) | 2001年4月2日〜2005年4月1日 | 22〜25歳 |
| 名古屋市 | 第1類 行政(22歳から25歳) | 2001年4月2日〜2005年4月1日 | 22〜25歳 |
| 福岡市 | 上級行政事務(先行枠) | 1997年4月2日〜2005年4月1日 | 表記なし |
| 広島市 | 1種 行政事務(一般枠) | 1997年4月2日以降 | 30歳未満 |
横にスクロールできます
人事院と福岡市の案内には「何歳まで」という書き方がなく、生年月日だけで線が引かれています。東京都、特別区、大阪市、名古屋市、広島市は年齢でも併記しているので、そちらは読み比べやすいです。
表の下端は2005年4月1日生まれが多く、一般職の教養区分は2006年4月1日、総合職の教養区分は2007年4月1日まで、それより若い人も、大学を卒業(見込みを含む)していれば受けられます。広島市には下端の生年月日がありません。
2027年4月1日で数えると、最年長は国が30歳(生年月日からの私の計算)、東京都が29歳、特別区が31歳で、名古屋市には39歳までの区分があります。30歳という数字を国の線として覚えていると、東京都を受ける人にとっては1年長く、特別区なら1年短く見積もることになります。
年齢を数える日は採用年度の4月1日
東京都は令和9年4月1日時点、特別区は「試験・選考がある年の翌年4月1日」で数えます。2026年度の試験なら、基準日は2027年4月1日です。
特別区人事・厚生事務組合「採用試験の概要」
年齢は、試験・選考がある年の翌年4月1日を基準として算出します。
受験する年の4月1日で自分の年齢を数えると、1年ずれます。東京都の一般方式は、申込の受付が令和8年2月16日に始まり、年齢の基準日はその1年以上あとです。
特別区の秋試験(Ⅰ類の土木造園・建築・機械・電気)は、令和8年度から受験できる年齢が21歳に下がりました。21歳で受かった人の採用は受験年度の翌々年度の4月1日で、22〜31歳は翌年度の4月1日です。年齢の下限が動くと、採用の時期まで一緒に動きます。
30歳を過ぎた人向けの区分と、資格職の線
大卒程度の線を越えても、年齢帯そのものを別に作っている団体があります。名古屋市の第1類は、学歴と職歴を問わない26〜39歳の区分が、22〜25歳の区分と並んで置かれています。
22歳から25歳
- 2001年4月2日〜2005年4月1日生まれ
- 2005年4月2日以降生まれは、大学卒業(見込み)の人
生年月日の線が14年分ずれる
26歳から39歳
- 1987年4月2日〜2001年4月1日生まれ
- 学歴・職歴は問わない
どちらも第1次試験はSPI3だけで、専門試験はありません。案内には「特別な公務員試験対策は不要です」とあります。SPI3の対策まで要らないという意味ではないので、適性検査はSPIの記事で確かめてください。
資格や免許を使う職種は、事務とは別の線です。広島市は行政事務が30歳未満なのに、薬剤師と保健師は36歳未満、獣医師は62歳未満と書いています。特別区の福祉は22歳以上30歳未満で、こちらは事務より狭いです。手元の資格で線が動く職種は、事務の表を読んでも当てになりません。
公務員試験の年齢制限が経験者採用で変わるところ
経験者採用は、年齢より経歴の年数で受験資格を測ります。国は年齢の記載がなく、特別区は62歳未満という上限があります。
| 実施団体 | 区分 | 年齢 | 経歴の要件 |
|---|---|---|---|
| 人事院 | 経験者採用試験(係長級・事務)府省合同A(2026年4月1日時点) | 表記なし | 大学等の卒業日、または大学院の修了日のうち最も古い日から2年を経過した者 |
| 人事院 | 同 府省合同B | 表記なし | 大学等を卒業した日から7年、大学院を修了した日から5年など、最終学歴ごとに定めた期間を経過した者 |
| 特別区 | 経験者 1級職 | 62歳未満 | 民間企業等での業務従事歴が直近10年中4年以上 |
| 特別区 | 経験者 2級職(主任) | 62歳未満 | 直近14年中8年以上 |
| 特別区 | 経験者 3級職(係長級・一部の区分のみ) | 62歳未満 | 直近18年中12年以上 |
横にスクロールできます
特別区の事務(一般事務)の経験者採用は、令和8年度は秋試験でした。春試験の経験者は福祉の区分だけです。業務従事歴に数えられるのは、満22歳に達した日の属する年度の翌年度の4月1日以降の期間で、1年以上の期間を通算できます。
特別区のⅠ類【春試験】に申し込んだ人は、受験したかどうかに関係なく、同じ年度の経験者採用に申し込めません。大卒程度の枠にぎりぎり入る年齢の人が、保険に経験者採用も、とはできない仕組みです。併願先の組み方は併願の記事で数えました。
年齢の上の端に近い人の話を1つ書きます。北海道財務局には、財務専門官試験の北海道区分で、30歳で入った元営業の人がいました。雰囲気は落ち着いていて、感じのよい人でした。
自分の生年月日を当てはめる
1995年6月1日生まれと1996年7月1日生まれの人が、2026年度の案内で出願できた先を、ここまでの表と対比の線から引くとこうなります。
| 試験・区分 | 1995年6月1日生まれ | 1996年7月1日生まれ |
|---|---|---|
| 人事院 大卒程度(1996年4月2日以降) | × | ○ |
| 特別区Ⅰ類 事務(1995年4月2日以降) | ○ | ○ |
| 東京都Ⅰ類B(1997年4月2日以降) | × | × |
| 名古屋市 26歳から39歳 | ○ | ○ |
| 大阪市 事務行政(22-25) | × | × |
横にスクロールできます
1年違うだけで、国が選択肢から消えます。東京都の線は特別区より2年早く切れます。1995年4月2日から1997年4月1日までに生まれた人は都庁を受けられません。そのうち1996年4月2日以降の生まれは、国と特別区が残ります。それより前の生まれは、今回見た範囲では国が外れて特別区が残り、名古屋市の26〜39歳の区分も出願できます。都と区の違いは都庁と特別区の記事に書きました。
2027年度(令和9年度)の受験案内は、2026年10月13日の時点で確認できませんでした。表の線は2026年度のものです。政令市は大阪・名古屋・福岡・広島の4市しか見ていないので、ほかの市は各市の案内で確かめてください。
既卒で受けたときの不利は年齢制限とは別の話で、既卒の記事に、面接カードの書き方まで含めてあります。出願の前に、自分の生年月日をここの表に当ててください。
公務員になる最初の手順は 公務員になるには 最初の1か月で決める2つのこと、制度全体の形は 公務員試験の全体像|2024年改正後の現在地、既卒と面接カードは 公務員試験は既卒に不利か にまとめています。
年齢要件はすべて2026年度(令和8年度)の受験案内で、2026年10月13日に確認しました。人事院、東京都、特別区、大阪市、名古屋市、福岡市、広島市の公表資料に基づきます。
掲載内容は各実施機関の公表資料に基づくもので、受験資格や合否を保証するものではありません。
