2026年度の国家一般職(行政・関東甲信越)のボーダーは、第1次試験が標準点320点、最終合格が480点でした。素点に直すと、基礎能力試験で18題取れていれば、専門試験は20題で第1次の合格点に届きます。
ボーダーは地域ごとに違い、いちばん高い近畿では同じ基礎能力18題でも専門が24題要ります。私が受けた2016年度は、教養23題・専門33題でした。第1次試験のあとにネットのボーダー予想を見て、これなら合格で間違いないと分かったので、すぐ面接の準備に移れました。私は国家一般職にも受かったうえで、財務専門官の枠で財務局に入り、1年3か月働いた元公務員です。
国家一般職のボーダーは素点ではなく標準点で決まる
国家一般職の合否は、正解した問題の数(素点)ではなく、試験種目ごとに平均点と標準偏差で換算した「標準点」の合計で決まります。人事院が毎年公表している合格点も、この標準点で書かれています。
人事院「2026年度 一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法」
標準点 = 10 × 配点比率 × (15 × (素点 − 平均点)÷ 標準偏差 + 50)
配点比率は、行政区分なら基礎能力試験が2/9、専門試験(多肢選択式)が4/9、一般論文試験が1/9、人物試験が2/9です。専門の比率は基礎能力の2倍あります。
2026年度の平均点と標準偏差をこの式に入れると、1題あたりの重さが出ます。基礎能力は1題でおよそ8.5点、専門は1題でおよそ10点です。専門は40題を解くので、点を積める幅も大きくなります。
8.5点
基礎能力 1題あたり(30題)
10点
専門択一 1題あたり(40題)
19点
一般論文 評点1あたり(6点満点)
もう一つ押さえておくのが基準点です。多肢選択式は満点の30%で、基礎能力なら9題、専門なら12題を下回ると、合計がいくら高くても不合格になります。人物試験はEの評価で不合格です。
2026年度 国家一般職の地域別ボーダー(第1次・最終の合格点)
国家一般職の行政区分は地域ごとに試験を行うので、ボーダーも地域ごとに出ます。2026年度は、第1次試験の合格点が167点(東北)から354点(近畿)まで、最終合格点が362点(北海道)から535点(近畿)まで開きました。
| 地域 | 第1次合格点 | 最終合格点 | 受験者 | 最終合格者 | 倍率 | 採用予定数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 177 | 362 | 541 | 388 | 1.4 | 171 |
| 東北 | 167 | 404 | 863 | 541 | 1.6 | 239 |
| 関東甲信越 | 320 | 480 | 4,442 | 1,812 | 2.5 | 1,409 |
| 東海北陸 | 304 | 493 | 1,390 | 708 | 2.0 | 328 |
| 近畿 | 354 | 535 | 1,865 | 716 | 2.6 | 372 |
| 中国 | 284 | 386 | 774 | 442 | 1.8 | 210 |
| 四国 | 284 | 484 | 544 | 259 | 2.1 | 112 |
| 九州 | 219 | 471 | 1,286 | 613 | 2.1 | 286 |
| 沖縄 | 276 | 469 | 305 | 139 | 2.2 | 69 |
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合格点は人事院の「合格点及び平均点等一覧」(令和8年8月12日)、人数は同じく人事院の「区分別実施結果・合格者の状況」から取り、倍率は受験者を最終合格者で割りました。倍率がいちばん高いのは近畿(2.6倍)と関東甲信越(2.5倍)で、第1次の合格点が高いのもこの2地域です。最終合格点では東海北陸(493点)と四国(484点)が関東甲信越より上にきます。北海道と東北は第1次の合格点が200点を切っていて、基礎能力と専門がどちらも12題、つまり基準点に近い点数でも第1次を通る水準でした。
受験地は申込みのときに選びます。どこで働きたいかで決めるものですが、同じ点数でも地域によって合否が変わる、ということは知っておいて損はありません。
国家一般職のボーダーを素点に直すと、何題必要か
標準点のボーダーを素点に戻すと、基礎能力で何題取れたときに専門で何題要るか、という組み合わせになります。2026年度の平均点と標準偏差を使って、第1次試験の合格点に届く最少の専門の題数を地域ごとに出しました。
| 地域 | 基礎12題 | 基礎15題 | 基礎18題 | 基礎21題 | 基礎24題 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
| 関東甲信越 | 25 | 23 | 20 | 18 | 15 |
| 東海北陸 | 24 | 21 | 19 | 16 | 13 |
| 近畿 | 29 | 26 | 24 | 21 | 18 |
| 中国・四国 | 22 | 19 | 17 | 14 | 12 |
| 九州 | 15 | 13 | 12 | 12 | 12 |
| 沖縄 | 21 | 18 | 16 | 13 | 12 |
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計算に使ったのは、人事院が公表した平均点(基礎能力17.147題・専門21.635題)と標準偏差(3.939・6.635)です。表の12題は専門の基準点で、これを下回ると合計に関係なく不合格になります。
関東甲信越で見ると、基礎能力18題(6割)なら専門20題(5割)で足ります。基礎能力の平均が17.1題、専門の平均が21.6題なので、両方とも平均前後で第1次は越えられる計算です。
近畿だけは水準が違います。基礎能力18題なら専門24題が要り、基礎能力が12題に落ちると専門は29題、7割を超えます。近畿で受けるなら、どちらかで平均をはっきり上回る必要があります。
表の横方向を見ると、基礎能力を3題増やすと、必要な専門はおよそ2〜3題減ります。基礎能力の30題は知能分野が24題を占めていて、伸ばすには数的処理の練習量が要ります。どちらで3題を稼ぐほうが楽かは人によりますが、専門は覚えた分がそのまま点になる科目が多いので、計画は立てやすいです。
最終合格のボーダーは、論文と人物試験で大きく動く
最終合格のボーダーは、第1次の2種目に一般論文試験と人物試験の標準点を足して判定します。このうち人物試験の差が大きく、評価が1段階違うだけで40点以上動きます。
| 種目 | 評価・評点 | 標準点 |
|---|---|---|
| 人物試験 | A | 188 |
| B | 147 | |
| C | 102 | |
| D | 55 | |
| 一般論文試験(6点満点) | 6 | 93 |
| 5 | 73 | |
| 4 | 54 | |
| 3(基準点) | 34 |
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人物試験の標準点は人事院の公表値で、一般論文は平均4.063点・標準偏差0.861から計算しました。人物試験がCからBに上がると45点、専門に直すとおよそ4〜5題分です。論文も評点が1つ違うと約19点動き、専門2題分にあたります。筆記での数題の差は、二次で入れ替わる大きさです。
論文が平均並みの4点だとして、関東甲信越で最終合格点480点に届く組み合わせを出すと、人物Cなら基礎能力18題・専門21題、人物Bなら基礎能力18題・専門20題です。人物Dだと標準点が55まで下がるので、関東甲信越や近畿では筆記によほど余裕がないと届きません。
| 地域 | 人物試験 | 基礎15題 | 基礎18題 | 基礎21題 |
|---|---|---|---|---|
| 関東甲信越 | C | 23 | 21 | 18 |
| B | 23 | 20 | 18 | |
| 近畿 | C | 29 | 26 | 24 |
| B | 26 | 24 | 21 | |
| 東海北陸 | C | 24 | 22 | 19 |
| B | 21 | 19 | 16 | |
| 九州 | C | 22 | 20 | 17 |
| B | 18 | 15 | 13 |
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表の題数は、第1次の合格点も同時に満たす最少の数です。関東甲信越で人物CとBの差が小さいのは、最終合格点より第1次の合格点のほうが先に効いているからです。逆に九州や東海北陸は、第1次は越えやすいかわりに最終の合格点が高めで、人物試験の評価で必要な題数が3〜5題変わります。面接対策の重さは、受ける地域によって違います。面接の準備の順番は公務員試験の面接対策の記事にまとめました。
2016年度に私が取った点数と、国家一般職のボーダーの見方
私が国家一般職を受けたのは2016年度(平成28年度)で、関東甲信越の行政区分です。自己採点は教養23題、専門33題でした。当時の教養(基礎能力試験)は40題で、いまの30題とは形式が違います。
第1次試験のあと、ネットに出ていたボーダー予想を見ました。専門の33題で十分に上回っていたので、基本的に合格で間違いないという感じで、面接のほうへ気持ちを切り替えられました。成績の開示は請求していないので、標準点や順位は分かりません。
私の自己採点(2016年度)
教養 23題(当時は40題)
専門 33題(40題)
専門33題を2026年度の平均で換算すると
標準点 336点
専門だけで関東甲信越の第1次合格点(320点)を超える
同じ33題を2026年度の平均点と標準偏差で換算すると、専門だけで標準点336点になります。関東甲信越の第1次合格点は320点なので、基礎能力が基準点ぎりぎりでも第1次は越える計算です。年度が違うので当時の実際の標準点とは別物ですが、専門で8割取るとどれだけ効くかは見てとれます。
同じ年に財務専門官も受けていて、こちらは総合19位でした。2つの試験で出来の差は特に感じていません。この年は社会学や経営学がかなり難しくなっていたのですが、専門は11科目をそろえていたので、解きやすい科目を選んで避けられました。国家一般職の専門は16科目から8科目を選ぶ形なので、用意した科目が多いほど、難化した科目を外せます。財務専門官のボーダーは別の記事に書いています。
国家一般職のボーダーを越えるなら、専門から固める
ボーダーを調べている人に勧めたいのは、配点がそこそこあって、対策もしやすい専門科目を先にやることです。専門は配点比率が4/9と大きく、1題の重さも基礎能力より重くなっています。
基礎能力の伸びは数的処理の練習量にかかっていて、伸びるまで時間がかかります。専門は憲法・行政法・民法・ミクロ・マクロのような主要科目を回せば、覚えた分が点になります。私が第1次のあとに迷わず面接へ切り替えられたのも、専門で上回っていると分かっていたからでした。
何科目を用意するかは専門科目は何科目必要かの記事に、捨てる科目の決め方は捨て科目の記事に書いています。
2016年度の平均点と合格点は人事院のサイトで見つけられなかったので、私の点数は当時の基準ではなく2026年度の数字で換算しています。素点の換算表は論文4点・人物CまたはBを仮定したもので、平均点と標準偏差は毎年変わるため、ボーダーの題数も年度ごとに動きます。
専門科目のそろえ方は 公務員試験の専門科目は何科目必要? 選び方と勉強の順番、併願の組み方は 公務員試験の併願 できない組み合わせと日程の重なり、合格後の動き方は 官庁訪問の流れと聞かれたこと 財務局に内々定した体験 にまとめています。
合格点・平均点・人数は、人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)合格者の決定方法」「合格点及び平均点等一覧」「区分別実施結果・合格者の状況」の公表値です(2026年10月13日に確認)。年度ごとに変わるため、受験する年の公表値で確認してください。
学習方法に関する記述は個人の受験経験に基づくもので、合格を保証するものではありません。
