公務員試験の時事は、定番の「速攻の時事」とその実戦トレーニング編の2冊で足ります。改訂版は例年2月初旬に出るので、年内には買いません。白書やニュース検定まで広げる必要もありません(時事に使う参考書と買う時期)。
教養で私が時間を割いたのは、数的処理と時事だけです。あとは全部専門に回しました。財務専門官などに独学で受かった元公務員の、時事の位置づけです。
そう書くと時事を得点源にしていたように読めますが、違います。時事は、他の受験生と差がつかないようにするための科目でした。
この感覚が自分だけのものか確かめたくて、合格体験記を集めて読みました。結果ははっきりしていて、対策したのに本番で当たらなかったという報告のほうが多数派でした。
この記事でわかること
- 2024年度の改正で、国家系の知識分野が時事中心に再編されたこと
- 合格体験記では「対策したが当たらなかった」が多数派だったこと
- 時事は得点源ではなく、差をつけられないための科目であること
- 択一だけでなく、専門の行政系・論文・面接にも波及すること
- 社会科学に独自の対策が要らない理由
この記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれています。紹介しているのは私が実際に使った本か、受験案内と出版社の情報で現行版を確認した本だけです。リンクの有無で順番を変えてはいません。
公務員試験の時事は、2024年度から相対的に重くなった
国家系の知識分野は6題に縮小され、その6題が時事中心に再編されました。科目数が減ったぶん、時事の比重は上がっています。
2024年度の改正で、基礎能力試験は40題から30題になりました。知識分野の名前は「自然・人文・社会に関する時事、情報」です。日本史や物理といった科目名が消えて、時事と情報が前に出ました。
| 試験 | 時事の扱い |
|---|---|
| 国家一般職・国税・財務 | 知識分野6題が「自然・人文・社会に関する時事、情報」 |
| 特別区Ⅰ類(春・事務) | 知識20題中12題選択のうち社会事情4題 |
| 東京都Ⅰ類B(一般方式・行政) | 知識16題必須に社会事情。体験記では5題という報告 |
| 地方上級(県庁・政令市) | 型による。千葉県庁は社会一般が必須解答に入っている |
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注意したいのは、時事が「時事」という科目の外にも出ることです。専門試験の行政学・政治学・社会学には時事的な論点が混ざりますし、財政学は前年度の予算や財政事情がそのまま出題範囲です。論文のテーマも時事から来ます。
私が時事に時間を使ったのは、この波及があったからでした。時事の本は時事科目のためだけの本ではありません。財政学の時事的な分野でそのまま効きます(財政学の記事)。1冊で複数の科目に効く本は、そう多くありません。
公務員試験の時事は、対策しても本番で当たらない
ここが本題です。合格体験記を集めて読むと、時事の対策が本番で当たったという報告がほとんど見つかりませんでした。
noteで科目ごとに検索し、いいねの多い順に集めた合格体験記54本を読んでいます。そのうち時事の手ごたえに触れている体験記を並べると、同じことを言っています。
国家一般職・国税・裁判所に最終合格 「試験直前に時事対策本を読みましたがほぼ出ず、毎回勘でいきました。時事は対策してもあまり役に立たず、問題との相性もあるためそこまで時間をかける必要は無い」。国家一般職の時事は5問中3問。
県庁に独学で合格 「本番の時事問題にはあまりどれも役に立ったとは言えない。あまりにも細かいデータや知識が求められる問題が多かった」。結論は「正答するというより、他の受験生と差がつかないことを意識するべき」。
都庁に合格 「東京都の時事は一つの事柄への深掘りがきつい。時事本をアプリも合わせて何周かしたが、対応できなかった」。
国家一般職ほか全試験の筆記を通過 「対策しようのない問題が何問も出題されたので勘で乗り切りました」。
国家一般職で教養23/30 「運ゲー要素が強すぎるので、本番でも5問中3問くらいは勘で解きました」。
5人とも合格しています。そして5人とも、時事で狙って点を取ってはいません。これだけ揃うと、個人の運ではなく科目の性質だと考えるほうが自然です。
だから、よく見る言い方を1つ否定しておきます。「時事を制する者は公務員試験を制する」は、実測と合いません。予備校のページにはこの種の見出しが並びますが、合格者が書き残している手ごたえは逆です。範囲が無限にあり、出題は細部に寄る。制することはできません。
では無対策でいいのか、というとそうでもありません。県庁合格者の言い方がいちばん正確だと思っています。定番の参考書をそれなりに読んでおいて、そこから出題があったときに取りこぼさない。狙うのは加点ではなく、失点の回避です。
公務員試験の時事に、どれだけ時間を配るか
定番の本を1冊、改訂版が出てから読む。それ以上は伸びません。
時事の参考書は毎年2月前後に改訂版が出ます。範囲が前年の出来事なので、古い版は使えません。この点は財政学と同じ制約です。秋から勉強を始めても、時事だけは着手できる時期が決まっています(試験日から逆算する)。
2月
定番の時事本が改訂される時期
6題
国家系の知識分野(時事・情報)
3/5
体験記に出てきた本番の正答数
白書やニュース検定まで広げる人がいますが、定番の本に出ないような問題は他の受験生も解けません。そこを取りにいくための時間は、専門科目に置いたほうが確実に返ってきます。テレビのニュースを見る習慣も、試験のためと思うと続きません。細かい法改正はそもそも放送されない。
ひとつだけ、時間をかける価値がある使い道があります。論文と面接です。少子高齢化、人口減少、就労支援といった頻出テーマは、択一で1問取るためではなく論文の材料として効きます。都庁に合格した受験生も、政策のストックが「後々面接対策につながった」と書いています(教養論文と専門記述の書き方)。
公務員試験の社会科学は、時事と専門で埋まる
社会科学に独自の対策は要りません。専門試験を受けるなら、専門の勉強でほとんど埋まります。
教養の社会科学は、政治・法律・経済・社会から出ます。この4つは憲法・政治学・経済学・時事と重なっています。専門で憲法とミクロ・マクロを回している人にとって、社会科学は復習でしかありません。
専門試験が無い試験だけで組む場合は話が別です。重なりで埋まる土台が無いので、教養科目として独立に用意することになります。その場合も、過去問集を1冊回す以上のことはしなくていい範囲です。
名前が紛らわしい点にも触れておきます。専門科目の「社会学」と教養の「社会科学」は別物です。検索すると混ざって出てくるので、記事を読むときは出題場所を確かめてください。社会学のほうは単独で用意する必要があります(社会学の記事)。国際情勢まわりは国際関係の記事と重なります。
公務員試験の時事に使う参考書と、買う時期
定番1冊と、その問題集です。そして買うのは2月まで待ちます。
| 役割 | 本 | 税込・発売日 |
|---|---|---|
| インプット | 速攻の時事 令和8年度試験完全対応(実務教育出版) | 1,320円・2026/2/2 |
| アウトプット | 同 実戦トレーニング編 | ー |
| 知識分野をまとめて | 寺本康之の超約ゼミ ここだけ!時事&知識分野 | ー |
| 社会科学(教養のみの人) | 新スーパー過去問ゼミ8 社会科学 | 2,090円・2026/9/2 |
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書影と書誌は楽天ブックスのデータです。
令和9年度版は2026年10月5日時点でまだ出ていません。例年2月初旬です。前年の版は使えないので、年内に買わないでください。
2冊セットで使う理由は、1冊目が教科書だからです。読んだだけでは解けません。憲法でレジュメを読んでから問題を解くのと同じ順番で、インプット編を読んでから実戦トレーニング編を解きます。
社会科学の行は、専門試験を受ける人には不要です。憲法・政治学・経済学の勉強でほとんど埋まります。教養のみの試験で組む人だけ1冊足してください。白書やニュース検定まで広げる必要はありません。定番に出ない問題は他の受験生も解けないからです。
手をつける順番
改訂版が出るのが2月前後です。古い版を買うと、春にもう一度買い直すことになります
定番の本を選びます。他の受験生が読んでいる本と同じものを読むことに意味があります
読んだだけでは解けません。同じシリーズの問題集で、どこが問われるかを確かめます
財政学の時事的な分野は、この本の内容とほぼ重なります。専門側の得点として回収します
少子高齢化、人口減少、就労支援あたりです。択一のためではなく、論文と面接のために掘ります
時事は、やらないと落ちるが、やっても伸びない科目です。深追いしないと決めてしまえば、むしろ扱いやすい科目でもあります。
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