公務員試験の基礎能力試験30題のうち、24題が知能分野です。国家一般職なら判断推理7、数的推理4、資料解釈3、文章理解10。2024年の改正で知識が6題に縮んだぶん、ここの比重が上がりました。
専門科目はほぼ全部スー過去で通しました。ただし、これは専門の話です。教養は1冊では片づかず、分野ごとに別の本を使っています。独学で国家一般職などに受かった元公務員の、数的処理の組み方です。
数的処理も、いきなりスー過去には入りませんでした。導入に玉手箱を挟んでいます。スー過去との整合が取れているうえ、1問に解説が2つ載っていることが多く、自分の解き方が解説と違っても余計な心配をせずに済んだからです。
そして専門と違って、数的は仕上げても点が安定しません。当日たまたま手が止まる問題に当たれば数問は落ちます。だから私は、教養で目標点を置かず、専門択一で稼いで教養の下振れを吸収する組み方にしました。
2024年の改正で知識分野が6題に縮み、残る24題、つまり知能分野の比重が上がりました。当時の判断は、いまのほうがよく当てはまります。ここでは出題数と解答時間という動かせない数字から、勉強の順番を組み直します。
この記事でわかること
- 基礎能力試験30題のうち24題が知能分野で、そのうち14題が判断推理・数的推理・資料解釈であること
- 解答時間から割り出した1題あたりの持ち時間(3分台)
- 判断推理・数的推理・資料解釈は性質の違う三つで、同じやり方が通じないこと
- 出題数で見ると、苦手意識の強い数的推理より判断推理のほうが多いこと
- 東京都と特別区では知能分野が必須解答で、選択で回避できないこと
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24題という数字
2024年度の改正で、国家公務員試験の基礎能力試験は多肢選択式が40題から30題になり、知識分野は6題まで縮みました。残る24題が知能分野です。
縮んだ知識科目を捨てていいのかは受ける場所で答えが逆になるので、そちらで別に書きました。知能の内訳は受験案内に載っています。
| 試験 | 知能分野の内訳 | 知能計 | 知識 |
|---|---|---|---|
| 総合職 | 文章理解10、判断・数的推理(資料解釈を含む)14 | 24題 | 6題 |
| 一般職 | 文章理解10、判断推理7、数的推理4、資料解釈3 | 24題 | 6題 |
| 専門職 | 文章理解10、判断推理7、数的推理4、資料解釈3 | 24題 | 6題 |
一般職と専門職で見ると、文章理解を除いた判断推理7、数的推理4、資料解釈3の計14題。30題中14題です。知識6題を全部落としても、ここが取れていれば基礎能力試験は形になります。逆はどうにもなりません。
地方も同じ方向です。東京都Ⅰ類Bの一般方式は教養試験40題必須解答のうち知能24題が必須で、内訳は文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念。
特別区Ⅰ類の春試験は48題中40題解答で、知能28題が必須、知識は20題中12題の選択です。
地方の主要どころでは、知能分野に選択の余地がありません。選べるのは知識のほうだけ。どちらに時間を使うかは、この差を見ればほぼ決まります。
人事院「2026年度 一般職試験(大卒程度)受験案内」5ページほか。東京都人事委員会「令和8年度 Ⅰ類B採用試験案内(一般方式)」7ページ。特別区人事委員会「令和8年度 Ⅰ類採用試験案内【春試験】」4ページ。
国家一般職 基礎能力試験30題の内訳
- 文章理解 10
- 判断推理 7
- 数的推理 4
- 資料解釈 3
- 知識分野 6
出典 人事院「2026年度 一般職試験(大卒程度)受験案内」5ページ。朱は2024年の改正で6題まで縮小した知識分野。
1題あたり何分か
1題あたりの持ち時間は、国家一般職と専門職で約3.6分、東京都Ⅰ類Bで約3.2分、特別区で約3.0分です。
解答時間も改正で短くなりました。受験案内の数字を単純に割ると、1題あたりの持ち時間が出ます。
| 試験 | 題数 | 解答時間 | 1題あたり |
|---|---|---|---|
| 国家総合職 | 30題 | 140分 | 約4.6分 |
| 国家一般職・専門職 | 30題 | 110分 | 約3.6分 |
| 東京都Ⅰ類B 一般方式 | 40題 | 130分 | 約3.2分 |
| 特別区Ⅰ類 春試験 | 40題 | 120分 | 約3.0分 |
実際には文章理解に時間を取られ、知識は数十秒で処理できるので、この平均どおりには配分しません。それでも3分台という水準は、解法を思い出してから計算を始めたのでは間に合わないという意味です。
数的処理がやっかいなのはここです。理解して解ける状態と、3分で処理できる状態のあいだには、まだ距離がある。その距離を詰める作業が学習時間の大半を占めます。
三つは別の科目である
数的処理とひとまとめに呼びますが、中身は性質の違う三つです。同じ勉強法を当てると、どれかで伸びが止まります。
- 判断推理。一般職で7題と、この中では最多。論理と条件整理が中心で、計算はあまり出てきません。表や図に条件をどう落とすかという型が効く分野で、伸びやすいのもここです
- 数的推理。一般職で4題。中学から高校前半の数学に近く、苦手な人がいちばん苦しむ場所。ただし出題数は判断推理より少ない
- 資料解釈。一般職で3題。グラフと表を読んで選択肢を判定します。解法を覚えるというより、概算で足切りをかけながら選択肢を消す作業に慣れるかどうか
数的推理については、独学当時からひとつ思っていたことがあります。勉強しても伸びない人は、前提の中学数学が抜けているのではないか。
中学数学の復習には、塾講師のアルバイトで使っていた一冊をそのまま流用しました。回り道に見えても、ここを飛ばすと導入本の解説自体が読めません。
数的推理でつまずいて数的処理が苦手だと言う人は多い。でも出題数で見ると判断推理のほうが多いんです。数学への苦手意識と、この分野の配点は一致していません。先に判断推理と資料解釈を仕上げたほうが、数字の上では早く楽になります。
資料解釈は地味です。やっていて楽しくはありません。それでも費用対効果では、ここがいちばん上でした。数的が苦手だから公務員試験は向いていない、という言い方もありますが、出題数で見れば、一般職なら4題の話をしているだけです。
捨てられるかどうか
結論から書くと、捨てられません。当時は逃げ道がありました。何をやっても数的推理が無理なら、無理にスー過去やクイマスに時間を使わない。配点は高いけれど切ってしまって、知識分野を詰め込んで安定した点を稼ぐ。知識分野がまだ厚かった頃は、この判断が成立しました。
知識が6題しかない今、同じ選択は成り立ちません。
国家一般職なら、知能24題を丸ごと落として知識6題だけ取っても形になりません。東京都と特別区は知能が必須解答なので、選択で回避する経路そのものがない。
適性検査型の枠も逃げ場にはなりません。SPI3やSCOAで問われる能力は、判断推理や資料解釈とかなり重なります。従来型で受けても適性検査型で受けても、ここだけは共通です。志望先が固まっていない段階でも、ここに使った時間は無駄になりません。
逆に言うと、知識分野の科目別対策は志望先が決まるまで待って構いません。国家系は時事と情報に寄っていますが、総合職の教養区分はⅡ部に自然・人文・社会の20題が残っており、特別区の春試験は知識20題中12題の選択です。必要な範囲が枠ごとに違うので、先に決めるほど無駄が減ります。
公務員試験の数的処理に使う参考書と、導入本を先に置く理由
この科目だけ、過去問集より導入本が先です。配点が大きいので、立ち上がりで失敗すると取り返せません。
| 役割 | 本 | 税込・発売日 |
|---|---|---|
| 導入本 | 新・解法の玉手箱 数的推理がわかる!/判断推理がわかる!(実務教育出版) | 各1,760円 |
| 導入本(別系統) | 畑中敦子 ザ・ベストNEO 数的推理/判断推理(エクシア出版) | ー |
| 過去問集 | 新スーパー過去問ゼミ8 数的推理/判断推理 | 各2,090円・2026/8/28 |
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私は玉手箱と畑中敦子の両方を使いました。数学から離れていたので、解き方の姿勢から説明してくれる玉手箱が要りました。ほかの科目は1冊に絞りましたが、数的処理だけは配点が大きいので冊数を重ね、慣れてきた頃にクイマスも足しています。相性は中身を見れば分かるので、書店で見比べて決めてください。
過去問集は第8版が2026年8月28日に出ています。数的推理と判断推理が別冊で各2,090円です。導入本だけでは本番の形式に届かないので、両方が要る数少ない科目です。
回し方は他の科目と同じで、1周目は頻出論点だけ、解いたらすぐ解説を見る形です。ただしこの科目は毎日触る必要があります。私が教養で時間を割いたのは数的処理と時事だけで、残りは専門に回しました(参考書の記事)。
やり方の話
私が独学でやって、これは効いたと今でも思う順番を書きます。
出題数が最も多く、条件整理の型がそのまま得点になる。最初の手応えがここで出ると続きます
分量が少なく、概算に慣れれば安定します。後回しにされがちですが、費用対効果はいちばん高い
全体を一気に回そうとすると止まります
ここを飛ばすと本番で時間が足りません。解けることと、3分で解けることは別の能力です
本番で1題に8分かけた時点で、他の2題を落としています
スー過去の回し方も、当時と同じです。最低2周。1周目は難易度★3以上の問題と出題頻度Cの論点を飛ばして、レジュメと基礎問題だけを固めます。
3周目は確認作業です。2周目でほぼ理解は済んでいるのですが、人間はすぐ忘れます。速度重視で回していきます。
導入の玉手箱については、合わない人もいると思います。数的は解説との相性が出やすい分野なので、読んでいて合わないと感じたら別のテキストに替えていい。
スー過去とクイマスをメインにして、載っていることを全部理解してしまえば及第点は取れる。専門で感じたことは、数的処理でも同じでした。改正で知能の比重が上がったぶん、この基準はいまのほうが効きます。
制度全体の形は 公務員試験の全体像|2024年改正後の現在地、適性検査型の枠については 公務員試験のSPI・適性検査|政令指定都市20市を数えた にまとめています。問題集の回し方は 過去問は人事院が公開している 版の選び方と回し方 にあります。知能分野でもう一方の塊になる科目は 公務員試験の文章理解は30題中10題 対策しなくても取れた に書きました。
出題数と解答時間は2026年度(令和8年度)実施分です。1題あたりの時間は解答時間を題数で割った単純計算で、実際の配分を示すものではありません。出願前には各実施機関の最新の受験案内で確認してください。
