公認会計士の短答式で、財務会計論は200点ある。4科目で500点なので、1科目で4割だ。私はこの科目で160点を取った。計算に偏った勉強をやめて、理論へ寄せたからだ。短答式は令和元年(2019年)12月に一発で合格し、上位25位(受験者およそ1万人中)だった。
公認会計士 財務会計論は短答式500点のうち200点
短答式の財務会計論は、配点が200点で、試験時間は150分ある。ほかの3科目は100点ずつだ。
200点
財務会計論の配点(4科目合計500点)
40%
短答式の総点数に占める割合
150分
試験時間(令和9年の施行公告)
公認会計士・監査審査会の令和9年試験の施行公告で、科目別の時間を並べるとこうなる。
| 科目 | 配点 | 試験時間 |
|---|---|---|
| 企業法 | 100点 | 9:30〜10:20(50分) |
| 管理会計論 | 100点 | 11:15〜12:30(75分) |
| 監査論 | 100点 | 13:45〜14:35(50分) |
| 財務会計論 | 200点 | 15:30〜18:00(150分) |
配点は、令和8年の施行公告と、審査会の「短答式試験の1問あたりの配点及び試験時間等の調整について」で確認した。時間は令和9年の施行公告から。2026年10月13日に原本を取得して見た。
令和8年の第Ⅰ回から、問題数と1問あたりの配点の組み方は変わったが、科目ごとの配点の合計は同じだ。経緯は公認会計士試験の合格基準の記事に書いた。
公認会計士 財務会計論の平均得点比率は6回で39.6〜49.2%
財務会計論の受験者平均は、令和6年から令和8年の6回で39.6%から49.2%の間に収まっている。200点に直すと、平均点はおよそ79点から98点だ。
| 回 | 財務会計論 | 管理会計論 | 監査論 | 企業法 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年 第Ⅰ回 | 46.7% | 43.1% | 59.1% | 53.0% |
| 令和6年 第Ⅱ回 | 48.1% | 49.1% | 57.4% | 51.5% |
| 令和7年 第Ⅰ回 | 45.3% | 41.7% | 52.0% | 51.4% |
| 令和7年 第Ⅱ回 | 47.0% | 42.2% | 44.4% | 47.9% |
| 令和8年 第Ⅰ回 | 49.2% | 48.0% | 50.7% | 51.6% |
| 令和8年 第Ⅱ回 | 39.6% | 46.0% | 51.4% | 45.6% |
公認会計士・監査審査会「試験結果の概要」の各回から拾った(2026年10月13日に6回分のPDFを取得して確認)。第Ⅰ回は前年12月の試験。
4科目で一番低かったのは、財務会計論が2回(令和6年第Ⅱ回と令和8年第Ⅱ回)、管理会計論が4回だった。ただ、令和8年第Ⅱ回の39.6%は、足切りの目安である満点の40%(200点なら80点)を、平均のほうが下回っている。足切りは、満点の40%未満で、かつ答案提出者の下位33%に当たる人の得点にも届かない場合に不合格になる決まりなので、平均が40%を割ったことがそのまま足切りの多発を意味するわけではない。
監査論との差は、監査論の記事に書いた表と同じ数字で見える。6回のうち5回で、財務会計論の平均は監査論より低い。
財務会計論で160点取ると、残り3科目はどこまで楽になるか
財務会計論で160点(80%)を取ると、総点数が合格基準に届くまでに、残り3科目で必要な得点比率は6割台から7割台に収まる。120点(60%)の場合と比べると、どの基準でも13ポイントほど軽い。
| 総点数比の合格基準 | 必要な総点数 | 財務会計論160点のとき | 財務会計論120点のとき |
|---|---|---|---|
| 69%(令和5年第Ⅱ回) | 345点 | 185点(61.7%) | 225点(75.0%) |
| 70%(令和8年第Ⅱ回) | 350点 | 190点(63.3%) | 230点(76.7%) |
| 75%(令和8年第Ⅰ回) | 375点 | 215点(71.7%) | 255点(85.0%) |
| 78%(令和6年第Ⅱ回) | 390点 | 230点(76.7%) | 270点(90.0%) |
合格基準は審査会「試験結果の概要」の各回(令和5年〜令和8年の8回で69%から78%)。表の右2列は私の計算で、4科目それぞれが足切りに掛からないことが前提。
120点は、平均点(79〜98点)より上の水準を仮に置いた比較だ。この水準のままだと、基準が高い年は残り3科目で9割を取る必要が出る。平均が4〜5割台の科目で9割は難しい。財務会計論で先に80%を確保しておけば、残りの3科目は6〜7割台で足りる。
公認会計士 財務会計論の勉強法 理論に寄せて160点取った回し方
私は令和元年(2019年)12月の短答式で、財務会計論を160点で通った。理論は満点で、計算は120点のうち80点だった。
| 区分 | 得点 | 配点 |
|---|---|---|
| 個別問題(計算) | 64点 | 80点 |
| 総合問題(計算) | 16点 | 40点 |
| 理論 | 80点 | 80点 |
| 合計 | 160点 | 200点 |
最初から理論に寄せていたわけではない。短答の勉強は計算に偏っていて、変えたのは2019年の7月ごろだ。きっかけは、予備校(大原)の短答直前対策の答練、短答直対だった。答練の配点を見て、理論の配点がかなり高いことに気づいた。
短答式の500点のうち、私は理論を320点、計算を180点と数えている。審査会は理論と計算の内訳を公表していないので、これは私が数えた数字だ。配点の数え方は、末尾のnote(短答式試験は財務ゲーではなく理論ゲー)にくわしく書いた。この配分だと、計算で80%取れても、理論が7割なら全体は73.6%にしかならない。しかも管理会計論の計算は時間が足りなくて、2問ほどは解けない前提で臨むことになる。その分を引くと、実際に点を取りにいける場所の配点は、理論のほうが計算の2倍くらいある。計算ばかり磨いていても、天井が低い。そう考えて、時間の置き場を理論へ移した。
理論の回し方は、順番が決まっていた。まず、テキストを何回か読んで、全体像と考え方を理解する。暗記の前に、この基準はなぜこう処理するのかをつかむ段階だ。そのあとは、肢別問題をひたすら3周した。回している途中で、答えがあやふやな場所や、怪しい場所が出てくる。そのたびにテキストへ戻って確認した。使ったのは大原のテキストと答練で、ステップ答練と短答直対だ。
切った論点もある。製造業会計、本支店会計、キャッシュフロー計算書などだ。切る基準は、過去の出題実績から見て、出る率が低いわりに、覚えることと勉強の時間がかかるものにした。計算で落とさないようにしていたのは、それ以外の論点だ。これは令和元年当時の判断で、いまも同じ切り方が通じるかは確かめていない。
短答と違って、論文式の成績通知書には、財務会計論の理論と計算の内訳が出ない。出るのは問ごとの得点だけだ。論文式の試験科目は「会計学」の1科目で、午前が管理会計論、午後が財務会計論にあたる。成績通知書の問別得点では、午後の第3問から第5問(配点60点・70点・70点の計200点)が財務会計論の部分になる。審査会はこの対応を公表していないが、予備校の講評はどれもこの対応で書いている。
| 試験 | 第3問(60点) | 第4問(70点) | 第5問(70点) | 3問の合計(200点) | 会計学全体の得点率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和2年(1回目) | 29.85 | 30.25 | 40.05 | 100.15 | 48.43% |
| 令和3年(2回目) | 29.15 | 30.8 | 25.25 | 85.2 | 46.55% |
| 令和4年(3回目・合格) | 35.85 | 41.5 | 37.55 | 114.9 | 56.40% |
各年の公認会計士試験 論文式試験成績通知書の問別得点(調整後)から、私が足した。
論文式は、まともに勉強したのが3年目の令和4年だけだ。1回目と2回目はほとんど手をつけていない。その3年目に、3問の合計は114.9点と、3回のなかで一番高くなった。短答での理論寄せが、論文の財務会計論にどこまで効いたのかは、この成績からは切り分けられない。
審査会の平均得点の資料(この記事の2つ目の見出しの表)を見て、勉強の配分を変えたことは一度もない。公式の資料にあるのは科目ごとの配点だけで、理論と計算の内訳は載っていないからだ。
テキストから問題集に移る流れは、noteの無料記事にも書いた。 過去問の入手先と、短答・論文での回し方は公認会計士の過去問にまとめた。
公認会計士 財務会計論が免除になる資格
短答式の財務会計論は、税理士となる資格を持つ人や、税理士試験の簿記論と財務諸表論の合格者、上場会社等で会計に関する事務に7年以上従事した人などは免除される。会計専門職大学院の修了者は3科目、商学や法律学の教授・博士のように短答式が全部免除になる類型もある。一覧と手続きは公認会計士の科目免除の記事にまとめた。
令和9年から財務会計論にも英語の出題
令和8年12月13日の短答式(令和9年第Ⅰ回)から、財務会計論・管理会計論・監査論の3科目で英語による出題が始まる。3科目を合わせて総点数の5〜6%程度で、500点なら25〜30点ほどだ(審査会の公表資料から、500点換算は私の計算)。財務会計論にその何点が割り当たるかは公表されていない。日程と合わせた全体は公認会計士試験の日程の記事にある。
令和8年の配点調整後の、財務会計論の問題数と1問あたりの配点は、公告と審査会の資料では確認できなかった。時間が150分になったことまでは確認できている。
財務会計論の得点の分布は公表されていない。足切りに該当した人は、平均が39.6%だった令和8年第Ⅱ回では「いなかった」と審査会の資料にある。ほかの回の人数は確認していない。
短答式全体の戦略、つまり配点を見てどの科目で点を取るかという判断は、こちらに書いた。
短答式試験は『財務ゲー』ではなく『理論ゲー』(note・¥850)
公認会計士試験の制度そのものについては 公認会計士試験 カテゴリーで扱っています。
受験前には最新の受験案内を確認してください。
