官庁訪問では、財務省の一般職、金融庁、経済産業局、特許庁の4か所を回りました。ただ、入ったのはそのどれでもなく、財務専門官の枠で受けた財務局です。そこで1年3か月働いた元公務員として、官庁訪問を振り返ります。
官庁訪問で私が回った4か所と、財務局の職場訪問
財務省の一般職、金融庁、経済産業局は普通の官庁訪問として回り、特許庁は職場訪問のような感じで何回か足を運びました。どれも最終合格の発表より前です。
財務局のほうは、一般職の官庁訪問とは別の手続きでした。財務局には、技術系を除いて国家一般職の採用枠がありません。採用サイトにも「一部の技術系職員を除き、一般職試験の合格者の中から職員を採用する予定はありません」とあり、人事院の採用状況を見ても、令和8年4月1日時点で財務局が一般職から採ったのは技術系の3人だけでした。財務省の一般職は本省の採用なので、名前は似ていても行き先が別です。
財務局の職場訪問は1回だけで、その場で内々定と言われました。聞かれたのは併願先の状況くらいです。財務局を選んだ理由は、出先機関を系統で数えた記事に書いています。
官庁訪問の日程と事前予約 令和8年度の一般職ルール
私が回った年とは違いますが、令和8年度の一般職(大卒程度)だと、官庁訪問は第1次試験の合格発表のあと、7月2日に始まっています。最終合格の発表より1か月以上前です。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 5月31日 | 第1次試験 |
| 6月24日 | 第1次試験の合格発表 |
| 6月25日 9時 | 官庁訪問の事前予約が始まる |
| 7月2日 | 官庁訪問が始まる(9時以降) |
| 7月8日〜7月26日 | 官庁訪問禁止の期間。第2次試験は7月8日〜7月24日 |
| 8月12日 | 最終合格発表。内々定の通知や関連する事務手続きは9時以降 |
| 10月1日 | 採用内定 |
| 2027年4月1日 | 採用 |
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日付は、人事院の一般職試験採用情報と、各省庁の人事担当課長会議の申合せ(2026年2月25日)から拾いました。人事院のQ&Aにも、注意書きが出ています。
人事院「官庁訪問に関するQ&A」
一般職試験(大卒程度試験)の官庁訪問は、最終合格者発表後ではなく、第1次試験合格者発表後に開始されますので、お間違いないように御注意ください。
内々定の通知も、8月12日の9時以降が原則です。ただし、それより前に「試験の最終合格を条件として内々定を出す旨を伝達することは可能」とも書かれています。
財務専門官の職場訪問と国家一般職の官庁訪問の違い
採用を決めるところが違います。国家一般職は府省ごとの官庁訪問で、財務専門官は各財務局の採用面接で決まります。
| 項目 | 国家一般職(大卒程度) | 財務専門官 |
|---|---|---|
| 採用する側 | 志望する府省 | 各財務局・福岡財務支局・沖縄総合事務局財務部 |
| 採用前の手続き | 官庁訪問(業務説明と面接) | 職場訪問・採用面接 |
| 名簿の有効期間 | 最終合格発表日から5年 | 5年(2023年度試験から) |
| 令和8年度の第2次試験 | 7月8日〜7月24日 | 7月2日〜7月7日 |
| 令和8年度の最終合格者 | 行政区分 5,618人 | 511人 |
| 令和8年度の採用予定数(2月時点) | 行政区分 約3,265名 | 約200名 |
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財務局のページによると、採用面接を希望する名簿登載者には、6月ごろ財務省大臣官房地方課から案内メールが届き、第1希望の局へ自分で連絡するそうです。私のときも面接は財務局と人事院で別々でしたが、人事院の面接官3人のうち1人は、財務局の面接にもいた人でした。
官庁訪問で聞かれたことと面接対策
官庁訪問で聞かれたのは、たしか「なぜこの省庁に入りたいのか」と、「人生で一番苦労したこと」のような普通の質問でした。答えに詰まったものはありません。準備も大学のキャリアセンターなどで済ませていて、一般的な面接の対策で足りる、という感触でした。
人事院のQ&Aが官庁訪問の対策として挙げているのも、志望動機を自分の言葉で説明できるようにすることと、これまでの経験、訪問先の政策への問題意識です。面接全般の準備は、公務員試験の面接の記事にまとめました。
官庁訪問の志望順位と内々定のあと
回り終えた時点の1位は財務局でした。経済産業局は倍率が高そう、金融庁と特許庁は忙しそう、という理由で下にしていて、財務局の内々定が出てからは、金融庁と経済産業局には行っていません。
倍率も忙しさも、当時の感覚です。数字で確かめたわけではありません。
内々定が重なったときは、志望度の低いほうを速やかに辞退するよう、人事院のQ&Aは求めています。10月1日以降の内定を受けられるのは、1つの省庁だけです。
官庁訪問と採用漏れ 最終合格者数と採用者数の差
令和7年度の一般職は、最終合格が8,815人で、令和8年4月1日までの採用は4,084人でした。
| 年度・区分 | 最終合格者 | 採用予定数(2月時点) | 採用数(4月1日現在) |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 行政区分 | 5,846 | 約3,015 | 2,912 |
| 令和7年度 全区分 | 8,815 | 未確認 | 4,084 |
| 令和8年度 行政区分 | 5,618 | 約3,265 | 未公表 |
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行政区分だと、2,912人÷5,846人で49.8%です。とはいえ、採用された側には前の年までの合格者も入っていて(名簿は5年有効)、最終合格した側には官庁訪問に行かなかった人や民間に進んだ人も入っています。残りの約半分がそのまま採用漏れ、という読み方はできません。
人事院のQ&Aも、最終合格しただけでは採用にならないと念を押しています。
人事院「官庁訪問に関するQ&A」
「採用試験最終合格=採用」ではありませんので、必ず官庁訪問に参加してください。
財務専門官のほうは、令和8年度の最終合格511人に対して、採用予定が約200名です。財務局の採用サイトに出ている採用実績は、令和3年度から134〜183人の間でした。
官庁訪問の前に確かめること
回る前に確かめておきたいのは、日程の重なりと、行きたい部門です。
令和8年度は、財務専門官の第2次試験と一般職の官庁訪問が、同じ7月2日に始まりました。両方受けるなら、その年の受験案内と人事院のページで、日程を先に並べておいたほうがいいです。
財務専門官を受けるなら、入ってから行きたい部門も確かめておいたほうがいい。財務局にいた私から言えるのは、それくらいです。その1年3か月のことは、財務専門官の仕事内容の記事に書きました。
令和8年度の日程と人数は公表資料から書いたもので、私が回った年の数字ではありません。当時の官庁訪問が同じ仕組みだったか、財務専門官の職場訪問に一般職のような解禁日の決まりがあるか、財務局の内々定が最終合格の前だったか後だったかは、確かめられていません。
職種の全体像は 公務員の職種一覧 府省庁14・出先機関12系統を数えた、面接の型は 公務員試験の面接 配点・面接カード・集団討論、併願の組み方は 公務員試験の併願 にまとめています。制度全体の形は 公務員試験の全体像 2024年改正後の現在地 から。
日程と人数は、人事院「国家公務員試験採用情報NAVI」(一般職試験、官庁訪問に関するQ&A、令和8年度の合格者発表、令和7年度の実施状況と採用状況)と、財務省財務局採用サイトの公表値です(2026年10月9日に確認)。年度ごとに変わるので、受験する年の公表資料で確認してください。
学習方法および進路に関する記述は個人の経験に基づくもので、合格や採用を保証するものではありません。
