国の府省庁は内閣府+11省+デジタル庁+復興庁の14です。内閣府の外局が7つ、出先機関は系統で数えると12前後。地方公務員の職種区分は総務省の分類で9つあります。数え直した結果を並べます。
私は国家一般職と財務専門官の両方に合格して、財務省財務局に入りました。1年3か月で辞めて会計士試験に移っているので、長く勤めた人間の話はできません。財務局にいた元公務員として、書ける範囲だけ書きます。
ただ、受験生のときに「同じ国家公務員」とひとくくりに見ていたものが、中に入ると本省と出先機関、さらに出先機関の系統で別の仕事だったことは書けます。
志望官庁を絞らないまま専門科目だけ先に進めていたので、その差を知ったのは受かったあとでした。受験前に数えておけばよかったと思っている数え方を書きます。
この記事でわかること
- 国の府省庁は内閣府+11省+デジタル庁+復興庁の14。内閣府の外局は少なくとも7つあること
- 国家公務員の出先機関は、法務局や税務署のような窓口単位ではなく「系統」で数えると12前後に整理できること
- 地方公務員の職種区分は、総務省の地方公務員給与実態調査で9区分に分かれていること
- 同じ「国家一般職」でも配属される出先機関によって、仕事の中身と転勤の範囲がまったく違うこと
- 私が最終合格の前に回った4か所(財務省一般職・金融庁・経済産業局・特許庁)と、財務局を選んだ理由
- 職種の名前から仕事の中身を推測して入った結果、最初の1年3か月で何がずれたか
- 令和8年人事院勧告の公表値では、月例給が平均15,056円(3.51%)引き上げられたこと
自分で数えたら、府省庁だけで14あった
国の府省庁は内閣府を含めて14、内閣府の外局だけでさらに7つあります。
「1府12省庁」という言い方をよく見ますが、内閣府+11省で数えると12になりません。デジタル庁と復興庁を足してはじめて14です。呼び方が揺れているだけで、実態の数ははっきりしています。
私は受験勉強を始めた時点でこの数を知りませんでした。専門科目の勉強を先に進めながら、志望官庁は「本省で政策に関わりたい」という程度の解像度のまま放置していました。府省庁14+外局7という最小限の数を先に押さえておけば、どの系統を早めに官庁訪問で見ておくべきか、もっと早い段階で絞り込めたはずです。
| 区分 | 名称 | 数 |
|---|---|---|
| 府 | 内閣府 | 1 |
| 省 | 総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省 | 11 |
| 庁(内閣直属) | デジタル庁、復興庁 | 2 |
| 合計 | 内閣府+11省+2庁 | 14 |
デジタル庁は2021年の発足。復興庁は東日本大震災の復興のための時限組織として設置され、期限が延長されています。
どちらも省ではなく内閣に直属する庁なので、「1府11省」と数える人と「1府12省庁」「1府13省庁」と数える人が両方います。省だけか、内閣直属の庁まで含めるか。単位を先に決めないと、この時点で数字がずれます。
さらに内閣府には、内閣府自体とは別に運営される外局があります。数えると次の7つが確認できました。
| 名称 | 所管の中心 |
|---|---|
| こども家庭庁 | 子ども・子育て政策の一元化。2023年4月発足 |
| 消費者庁 | 消費者行政の一元化 |
| 金融庁 | 金融機関の監督、金融システムの安定 |
| 公正取引委員会 | 独占禁止法の運用 |
| 国家公安委員会(警察庁) | 警察行政の管理 |
| 個人情報保護委員会 | 個人情報保護法の運用 |
| カジノ管理委員会 | 特定複合観光施設区域整備法の運用 |
宮内庁は内閣府の組織図の中に位置づけられていますが、天皇及び皇室に関する国家事務を担う独立性の強い機関で、内閣府の外局と同列に数えてよいかは資料によって扱いが割れています。ここでは外局の7つには含めず、別枠として書いておきます。判断はわからないままにしておきます。
外局を含めると、国の行政機関の「かたまり」は府省庁14+内閣府外局7で、少なくとも21になります。庁の下にさらに委員会や審議会がぶら下がっている場合もあるので、これは最小限の数え方です。面接や官庁訪問で志望動機を聞かれたとき、この最小限の数を知っているかどうかで、答えの解像度がかなり変わります。
内閣官房 内閣人事局「行政機構図(2025.8現在)」。行政機構図。2026年内の組織改編は本記事の集計に反映していません。
出先機関は「系統」で数えると12前後に整理できる
出先機関を窓口の数で数えると、税務署だけで全国500か所前後にのぼり、収拾がつきません。だから、この記事では「どの省庁の、どういう仕事をする組織か」という系統単位で数えます。数えると、主要なものは12系統に整理できました。
系統の違いは、一覧で並べただけでは実感しにくい。同じ国家公務員の出先機関でも、登記と供託を扱う法務局と、企業への補助金交付を扱う経済産業局とでは、窓口で相談を受ける相手も扱う書類も違います。
私が入った財務局も、財務省の出先機関という意味では同じ枠ですが、日々向き合う相手はまた別でした。受験生のときに見ていた「国家公務員」という一語は、入ってみると中身が何種類もある入れ物でした。
国家一般職は、第1次試験の合格発表のあとに官庁訪問が始まります。最終合格の発表より前です。系統の違いを言葉にできるかどうかが、そのまま志望動機の具体性になります。
| 系統 | 所管 | 仕事の中心 |
|---|---|---|
| 法務局 | 法務省 | 登記、供託、人権擁護、戸籍事務の指導 |
| 出入国在留管理局 | 法務省(出入国在留管理庁) | 出入国審査、在留資格の審査 |
| 地方検察庁 | 法務省 | 検察事務官による捜査・公判の補助 |
| 財務局 | 財務省 | 金融機関の監督、国有財産の管理 |
| 国税局・税務署 | 財務省(国税庁) | 税の賦課・徴収、税務相談 |
| 税関 | 財務省 | 輸出入の審査、密輸の取り締まり |
| 経済産業局 | 経済産業省 | 補助金の審査、中小企業支援 |
| 地方整備局 | 国土交通省 | 河川・道路の整備、災害対応 |
| 地方運輸局 | 国土交通省 | 自動車登録、公共交通の許認可 |
| 都道府県労働局 | 厚生労働省 | ハローワークの運営、労働基準監督 |
| 地方農政局 | 農林水産省 | 食料の安定供給、土地改良事業 |
| 管区警察局・行政評価局 | 警察庁・総務省 | 広域調整、政策評価、行政相談 |
旧来「入国管理局」と呼ばれていた組織は、2019年の法改正で「出入国在留管理庁」に格上げされ、法務省の外局になりました。窓口の出先機関としての実務は各地の出入国在留管理局が担っていますが、組織上の位置づけは以前の入国管理局とは違います。古い記事や参考書の表記をそのまま使うと、ここでずれます。
系統でまとめると12ですが、これは代表例に絞った数え方です。厚生労働省だけでも都道府県労働局の下に労働基準監督署とハローワークが分かれていますし、農林水産省には森林管理局や漁業調整事務所という小規模な系統もあります。
全部でいくつか。厳密に数えようとすると、この記事の範囲では数え切れませんでした。ここは分からないまま書いておきます。
国家公務員の専門職試験も職種の数え方に入れる
国家公務員には、総合職・一般職という行政の区分とは別に、最初から特定の出先機関に配属されることが決まっている専門職試験があります。
国税専門官、財務専門官、労働基準監督官、皇宮護衛官など。受かった時点で配属先の系統がほぼ確定します。 財務専門官の合格点と倍率は財務専門官のボーダーにまとめました。
| 試験名 | 配属される出先機関 |
|---|---|
| 国税専門官 | 国税局・税務署 |
| 財務専門官 | 財務局 |
| 労働基準監督官 | 都道府県労働局・労働基準監督署 |
| 食品衛生監視員 | 検疫所(厚生労働省) |
| 皇宮護衛官 | 皇宮警察本部(警察庁) |
国家一般職として採用されてから出先機関に配属される場合と、専門職試験に合格して最初から系統が決まっている場合とでは、志望動機の書き方も違います。
前者は本省でどういう仕事に関わりたいか、あるいは現場でどう活かしたいかまで含めて語る必要があります。後者はなぜその専門職なのかに絞る。この違いを知らずに志望動機を使い回すと、専門職試験の面接では的外れに響きます。
転勤の範囲は出先機関ごとに全然違う
出先機関は所管業務だけでなく、転勤の範囲でも系統ごとに差があります。
ここは公式統計として一律に公表されているものではありません。受験生のあいだで目安として語られている整理で、この記事でもそのまま目安として書きます。裏付けのある数値ではない点は先に断っておきます。
出先機関が少ない系統
- 経済産業局、内閣府など
- 転勤の範囲が狭くなりやすい
出先機関の数で傾向が変わる
出先機関が多い系統
- 国税局・税務署、地方整備局など
- ブロック内での異動の頻度が上がりやすいと言われている
これは系統ごとの平均的な傾向で、個人の異動歴を保証するものではありません。実際の範囲は年度の人事方針や本人の希望でも変わるので、正確なところは分かりません。志望先を決める段階では、転勤の有無より先に、系統ごとの所管業務の違いを押さえるほうが優先度は高いと思います。
地方公務員にも同じ構図があります。都道府県庁は県内転勤が基本でも、県土が広ければ通勤時間だけで生活が変わります。政令指定都市は市内転勤でも区をまたぐ異動が頻繁にある。市町村役場は、多くの場合ほとんど転勤がありません。
地方公務員は転勤が少ない、という言い方も、都道府県庁と市町村役場では前提が違います。どちらを指しているかを先に確認したほうがいい。
地方公務員の職種区分は総務省の分類で9つ
地方公務員の職種は「一般行政職」だけではありません。総務省の地方公務員給与実態調査が使う区分をもとに数えると、主なものは9区分に分かれます。
| 区分 | 代表的な仕事 |
|---|---|
| 一般行政職 | 都道府県庁・市役所の事務全般 |
| 技術職(土木・建築・機械・電気など) | 公共施設の設計・監督 |
| 公安職(一)警察 | 警察官 |
| 公安職(二)消防 | 消防吏員 |
| 教育職 | 公立学校の教員 |
| 研究職 | 試験研究機関の研究員 |
| 医療職 | 公立病院の医師・看護師など |
| 福祉職 | 児童相談所、福祉事務所のケースワーカー |
| 企業職(公営企業等) | 水道、交通、病院などの地方公営企業 |
このうち、大卒程度の一般枠で募集されるのはほとんどが一般行政職と技術職です。公安職、教育職、医療職、福祉職は、多くの場合で専用の採用試験が別にあります。
地方公務員試験とひとくくりにして対策を始めると、自分が受けようとしている職種の試験がどれなのか、途中で分からなくなります。
都道府県と市町村でも職種の重なり方は違います。都道府県庁は警察・消防(消防は市町村単位が多い)・教育委員会など広域行政を担う分だけ職種の幅が広く、市町村役場は住民に直接窓口対応する一般行政職の比重が高くなる傾向があります。同じ「地方公務員」という言葉でも、都道府県庁と市役所・町村役場では、募集される職種の構成そのものが違うということです。
総務省「地方公務員給与実態調査」の職種区分に基づく。区分の呼称は都道府県・市町村によって多少異なります。
資格免許職はさらに細かく分かれる
福祉職と医療職でまとめてしまいましたが、実際の採用試験では保健師、栄養士、保育士、獣医師、薬剤師、精神保健福祉士など、資格ごとに別枠で募集されるのが一般的です。
都道府県や市町村の採用サイトを見ると、資格免許職という括りの下にこれらが個別の試験区分として並んでいます。一般行政職や技術職の対策はそのままでは当てはまりません。多くの場合、専門科目そのものが課されないか、資格試験の内容と重なる形で出ます。
ここで数えている9区分は、あくまで総務省の統計上の大分類です。実際に受験生が目にする募集要項の職種名は、この大分類の下にさらに枝分かれしていると考えたほうが実態に近いです。「地方公務員の職種は一般行政職と技術職くらい」という理解のまま資格免許職の求人を見ると、対象になる資格を持っているのに見落とす、ということが起こりえます。
「職種は数種類しかない」という通説を府省庁の数で否定する
「公務員試験に受かれば、あとは行政職か技術職のどちらかに配属される」という説明をよく見ますが、ここまで数えた数字と照らすと、この説明は単純化しすぎています。
国だけで見ても、府省庁14、内閣府の外局7、出先機関の系統12という3層があります。同じ行政職の採用区分でも、配属先によって仕事の中身はまったく違う。地方公務員も9区分あり、公安職と福祉職では採用試験そのものが別です。
職種は行政職と技術職くらい、というのは採用区分の数え方であって、配属後の職種の数え方ではありません。この2つを混同すると、志望動機を書くときに「どこで何をしたいか」がぼやけます。混同が起きるのは、採用試験の案内が「行政」「技術」「公安」といった大区分でしか募集を出さないからだと思います。受験生からすると、試験区分の数がそのまま仕事の種類の数だと錯覚しやすい。
実際に配属されるのは、府省庁14、外局7、出先機関の系統12、地方公務員9区分という、もっと細かい単位です。試験区分の数と配属先の職種の数は別物で、後者のほうが何倍も多い。数えてみていちばんはっきりしたのはここでした。
14
府省庁(内閣府+11省+2庁)
7
内閣府の外局
12系統
出先機関。自分で数えた最小値
公務員になれば一生同じ職種で働ける、という言い方もよく見ます。これも府省庁と出先機関の組織図を見ると単純化しすぎです。
本省採用でも数年おきに部署が変わり、出先機関へ出向することもある。逆に出先機関採用のまま本省を経験しないこともあります。職種の一覧は固定された配属先の地図ではなく、キャリアの中で通過しうる組織の広がりとして見たほうが実態に近い。
給与で差がつく場所
令和8年人事院勧告の公表値では、月例給が平均15,056円(3.51%)引き上げられ、ボーナスは年間4.70月になりました。 支給月数と支給日は国家公務員のボーナスにまとめました。
ここで効くのは省庁による差ではありません。地域手当と職種による差のほうが、実際にはずっと大きい。
| 項目 | 公表値 |
|---|---|
| 月例給の引上げ | 平均15,056円(3.51%) |
| 期末手当・勤勉手当(ボーナス) | 年間4.70月 |
| 総合職(大卒)初任給 | 251,500円 |
| 一般職(大卒)初任給 | 241,500円 |
| 一般職(高卒)初任給 | 209,800円 |
この数値は令和8年8月の人事院勧告時点の公表値です。勧告はそのまま実施されるとは限らず、法改正を経て確定します。また地方公務員の給与は国の勧告を参考にしつつ、各自治体の条例で決まるため、同じ金額にはなりません。ここから先、自分の志望先の実額がいくらになるかは、各自治体の給与条例を個別に確認する必要があり、この記事の範囲では追い切れていません。
人事院「令和8年人事院勧告」。人事院 令和8年人事院勧告
この勧告値は国家公務員の俸給表全体に対するもので、職種による差は別に発生します。公安職の俸給表は行政職とは別建てで、勤務条件や手当の構造も違います。地方公務員も同じで、警察職と消防職は一般行政職とは別の俸給表を使う自治体がほとんどです。
公務員の給料はだいたい一律、という理解も、俸給表の種類で崩れます。どの俸給表が適用されるかまでは今回の資料からは特定できなかったので、志望先の職種が分かった段階で、その自治体・機関の俸給表を個別に確認してください。
独立行政法人や特殊法人の職員は、公務員の職種一覧に入らない
独立行政法人、特殊法人、国立大学法人の職員は、この記事で数えた職種一覧には入りません。国家公務員法上の公務員ではないからです。
造幣局、国立印刷局、日本年金機構、日本銀行、国立大学の職員などは、かつて国家公務員だった時期があったり、業務の性質が公的だったりするので、公務員だと誤解されることがあります。
現在はいずれも別の法律に基づく法人の職員で、採用試験も国家公務員試験とは別です。準公務員という言葉でまとめる記事もありますが、府省庁14、出先機関12系統、地方公務員9区分のどこにも属さない別ルートだと理解しておいたほうが混乱しません。この境界線をどこまで細かく引けるかは、法人の数が多く、この記事の範囲では数え切れていません。「独立行政法人がいくつあるか」までは正直わからないままにしておきます。志望先がどちらに当たるかは、採用試験の実施主体(人事院か、その法人自身か)を見れば判別できます。募集要項に「国家公務員法に基づく」という記載があるかどうかも、簡単な見分け方の一つです。
公務員試験の対策サイトの中には、独立行政法人や特殊法人の求人まで「公務員系」としてまとめて紹介しているものもあります。安定した働き方という点では近い性質を持っていますが、身分・給与制度・異動の範囲は別物です。この記事で数えた職種一覧と混ぜて志望動機を書くと、面接で「それは国家公務員ではありませんが」と指摘されかねません。
私が回った4か所と、財務局を選んだ理由
最終合格の前に回ったのは、財務省の一般職、金融庁、経済産業局、特許庁の4か所で、官庁訪問ではなく業務説明会や職場訪問です。特許庁は職場訪問のような形で、何回か足を運びました。国家一般職と財務専門官の両方に合格していたので、選べる状態で選んでいます。国家と地方を体験で比べた記事は国家公務員と地方公務員の違いにあります。
財務局にしたのは、試験勉強で経済学と財政学をやって、その科目が面白かったからです。受験先を決めるときは「専門択一で点が稼げるか」で選んでいたのに、就職先は「勉強した中身を仕事にできるか」で選んでいる。この2つは別の基準です。
この順番で選んだこと自体は、いま振り返っても間違っていません。ずれたのは、職種の名前から仕事の中身を推測した部分でした。配属された金融監督の系統では、金融機関の財務諸表を集計してリスクを見る仕事はありました。合わなかったのは、そこに付いてくる手続きの量です。電子決裁があるのに紙も回し、押印欄を定規で区切って係長全員の印鑑をもらう。1日の大半がそちらに流れます。
この話は分量があるので別記事にしました。配属先の実際の時間配分、配点比率、第1次試験の通過率まで含めて財務専門官の仕事内容 金融監督の現場で1年3か月に書いています。
受験生に伝わる形にすると、ここだけ残ります。志望先を「どの科目の知識を使う組織か」で選ぶと、入ってから比率がずれることがある。名前から中身を推測せず、その組織の若手が最初の数年に何をしているかまで聞いておくほうがいい。官庁訪問はそれを聞ける唯一の機会です。
官庁訪問では、この数え方がそのまま質問になる
官庁訪問や面接では、なぜこの府省庁なのか、なぜこの出先機関なのかがほぼ必ず聞かれます。その答えの説得力は、職種の輪郭を自分で把握しているかどうかで変わります。
面接そのものが特別だという話ではありません。官庁訪問も財務専門官の面接も、聞かれ方は民間の就活と大きく変わりませんでした。対策も大学のキャリアセンターで足りています。
逆に、こちらから聞くことを用意していくほうが効きます。前の章に書いたとおり、私は所管業務を調べて志望動機を組み立てた一方で、若手が最初の数年に何をしているかは確かめずに入りました。
受け答えの型は面接と集団討論の対策にまとめました。差が出るのは型ではなく、志望動機に直結する組織の理解のほうです。ここは先に数えておかないと、面接の場で組み立て直すのは難しい。
手をつける順番
ここまでの数え方を、志望先を決める作業の順番に落とし込みます。
府省庁14・内閣府外局7という国の層と、9区分に分かれる地方の層は、試験も配属先の性質も別物です
本省は政策の企画立案、出先機関は12系統に分かれる現場実施の仕事。同じ試験区分でも配属後の実務が違います
公安職・教育職・医療職・福祉職は多くの場合で採用試験自体が別に用意されています
「なぜこの組織か」を組織図のレベルで説明できるようにしておくと、志望動機の解像度が上がります
数を数える作業は地味ですが、官庁訪問の場で効いてきます。志望動機を「安定しているから」以上に具体化できるかどうかは、組織の役割の違いを自分の言葉で説明できるかどうかとほぼ同じだからです。
官庁訪問を1つの省庁だけで終える人もいます。私は複数の省庁と出先機関を回って比べたことで、自分がどの層に向いているのかが初めて見えました。
1か所だけを見て「ここでいい」と決めると、他の選択肢との違いを説明できないまま面接に臨むことになります。回る数を増やすほど、組織図のどこにいるのかという説明が具体的になっていく感覚がありました。
官庁訪問のもう一つの落とし穴は、訪問した部署の印象だけで志望動機を固めてしまうことです。本省の一部署で会った職員が魅力的だったとしても、実際の配属は本省内の別部署や出先機関になる可能性があります。府省庁・外局・出先機関という3層構造を理解した上で、「どの層で働くことになっても納得できる理由」を用意しておいたほうが、面接の場で崩れにくい志望動機になります。
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この記事の組織図は2025年8月時点の内閣官房の行政機構図、給与の数値は令和8年人事院勧告の公表値に基づきます。2026年度以降の組織改編・給与改定は反映していません。出願前には必ず各実施機関の最新の公表資料で確認してください。
掲載内容は内閣官房・人事院・総務省の公表資料に基づきます。官庁訪問・面接に関する記述は個人の受験経験に基づくもので、合格や内定を保証するものではありません。
