4月に国家公務員となった元公務員の私が、最初にボーナスをもらったのは6月です。
ただ、基準日の6月1日までに在職しているのは2か月だけなので、初回は「月割り」になって、金額は少なめでした。うれしかったものの、特に使い道はありませんでした。
「公務員のボーナスは景気に左右されない」とよく言われますが、人事院の資料で年間支給月数を並べると、この通説は当たっていません。私が入庁した2017年も、年4.3月分から4.4月分へ0.1月の引上げが入りました。
この記事でわかること
- 国家公務員のボーナスが期末手当と勤勉手当の2本でできていること
- 令和7年度の年4.65月分と、令和8年8月の勧告で示された年4.70月分の内訳
- 基準日と支給日、在職期間で決まる期間率の表
- 平成11年から令和8年までの年間支給月数の推移
- 2017年4月採用の1年目に、6月と12月はいくらになるかの試算
- 評価が反映されるのは勤勉手当だけという仕組み
国家公務員のボーナスは年4.65月分。令和8年の勧告で4.70月分に
国家公務員のボーナスは、期末手当と勤勉手当の2本です。令和7年度の年間支給月数は4.65月分で、令和8年8月7日の人事院勧告は、これを4.70月分に引き上げるとしています。
勧告では、民間の特別給の支給割合は4.72月で、公務の平均支給月数4.65月のほうが0.07月低い状況でした。そのため、公務の月数を0.05月引き上げ、その0.05月は期末手当と勤勉手当に0.025月ずつ配分されます。令和8年度は12月期だけを引き上げ、令和9年度以降は6月期と12月期を均等にする形です(人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」令和8年8月)。
| 年度 | 期 | 期末手当 | 勤勉手当 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 6月期(支給済み) | 1.2625月 | 1.0625月 |
| 令和8年度 | 12月期(勧告) | 1.2875月 | 1.0875月 |
| 令和9年度以降 | 6月期・12月期とも | 1.275月 | 1.075月 |
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勧告は、国会での給与法の改正を経て確定します。12月に実際に出る額は、その結果次第です。私が入庁した2017年は年4.4月分でした。いまの4.65月・4.70月は、そこから0.25〜0.30月分高い水準です。
国家公務員のボーナスの仕組み。基準日・支給日・期間率
期末手当と勤勉手当は、6月1日と12月1日の基準日に在職している職員に支給されます。支給日は人事院規則で6月30日と12月10日と定められています。
期末手当の額は、基礎額に支給割合と期間率を掛けて決まります。基礎額は、基準日現在の俸給とそれに対する地域手当などの合計額です。期間率は、基準日以前6か月のうちどれだけ在職していたかで変わります(給与法第19条の4)。
| 基準日以前6か月の在職期間 | 期間率 |
|---|---|
| 6か月 | 100% |
| 5か月以上6か月未満 | 80% |
| 3か月以上5か月未満 | 60% |
| 3か月未満 | 30% |
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勤勉手当にも期間率があり、規則9-40の別表で、在職が2か月以上2か月15日未満なら30%、6か月なら100%とされています。4月1日に採用された職員は、6月1日の基準日で在職がちょうど2か月です。だから初年度の夏は、期末手当も勤勉手当も、期間率30%になります。私の最初の夏のボーナスが月割りで少なかったのは、この期間率のためです。
同期とも「在籍が4月からのカウントだから、こんなものだよね」と話しました。
国家公務員のボーナスは景気に左右されない? 月数の推移
左右されます。国家公務員の特別給の月数は、民間のボーナスの支給実績を追いかけて毎年見直されるので、景気が悪くなると、遅れて月数が下がります。
人事院は、民間の特別給について前年8月から当年7月までの1年間の支給実績を調べ、民間の年間支給割合に国家公務員の年間支給月数を合わせることを基本に勧告しています。
| 勧告年 | 年間支給月数 | 前年との差 |
|---|---|---|
| 平成11年 | 4.95月 | -0.30月 |
| 平成15年 | 4.40月 | -0.25月 |
| 平成21年 | 4.15月 | -0.35月 |
| 平成22〜25年 | 3.95月 | 平成22年に-0.20月 |
| 平成26年 | 4.10月 | +0.15月 |
| 平成29年 | 4.40月 | +0.10月 |
| 令和3年 | 4.30月 | -0.15月 |
| 令和7年 | 4.65月 | +0.05月 |
| 令和8年 | 4.70月 | +0.05月 |
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平成11年の4.95月から平成22年の3.95月まで、月数は1か月分減りました。令和に入ってからも、令和2年と3年は引下げです。「減らない」のではなく、民間に合わせて動いています。
私が入庁した2017年は、動いたほうの年でした。当時のボーナスは、一般職給与法では6月期が期末手当1.225月と勤勉手当0.85月、12月期が期末手当1.375月と勤勉手当0.85月の合計4.3月分でした。平成29年の勧告は、民間の支給状況に合わせてこれを0.1月分引き上げ、4.4月分にしました。引上げ分は勤勉手当に回され、平成29年12月期から反映されています。
入庁1年目に0.1か月分の調整が入ったことは、私も覚えています。知ったのはニュースで、影響は小さいな、と思いました。上がる側の調整でしたが、月数が決まっているはずの公務員のボーナスでも、その月数自体は毎年動きます。
在職中は、民間の友人のボーナスがうらやましく見えました。銀行の営業をしていた友人で、成績に応じた賞与がかなり出ると聞いたからです。公務員の月数は人事院の勧告で動くだけで、個人の成績では動きません。
国家公務員1年目のボーナスは、6月が月割り・12月は満額
4月採用の1年目は、6月が期間率30%、12月が100%です。私の明細の俸給と地域手当から試算すると、6月が約12.8万円、12月が約47.9万円になります。
| 基準日 | 期末手当 | 勤勉手当 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2017年6月1日(期間率30%) | 約7.5万円 | 約5.2万円 | 約12.8万円 |
| 2017年12月1日(期間率100%) | 約28.3万円 | 約19.6万円 | 約47.9万円 |
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6月の基礎額は、給与明細にある俸給178,200円と地域手当26,730円の合計204,930円です。12月は、平成29年の勧告で初任給が1,000円引き上げられ4月1日に遡及したので、俸給179,200円と地域手当26,880円の合計206,080円で計算しています。扶養手当はなく、評価は標準的なものとして計算しました。実際の勤勉手当は評価で上下します。6月は期末手当1.225月、勤勉手当0.85月。12月は期末手当1.375月、勤勉手当は引上げ後の0.95月で、法の公布が12月15日だったため、実際の支給はこの試算と時期がずれた可能性があります。
実際に振り込まれた額は覚えていません。それでも、12月は「2か月分くらい」だった、という感覚は残っています。試算の47.9万円は、基礎額の約2.3か月分にあたるので、感覚とずれてはいません。
6月と比べると、12月は在籍がフルでカウントされるぶん、そこそこ多いと感じました。使い道は、特にありませんでした。
国家公務員のボーナスに評価が反映されるのは勤勉手当だけ
評価が影響するのは勤勉手当です。給与法第19条の7は、勤勉手当を基準日以前の直近の人事評価の結果と、基準日以前6か月の勤務状況に応じて支給する、と定めています。期末手当には評価の要素がありません。
ボーナスの明細で評価が示されることはなく、人事評価は年に数回ある人事面談で伝えられました。それが勤勉手当に反映されるとはいえ、ボーナスとのつながりを強く感じたことはなく、差は小さいというのが実感です。全体の月数は人事院が決め、個人の差は勤勉手当のごく一部に出る形です。
民間の友人のように、成績や業績で大きく上下することはありません。固定に近いと感じました。そのぶん、月数の変更は勧告で決まるので、自分の頑張りより、毎年8月の勧告のほうがボーナスの額を動かす力は大きいと思います。
国家公務員を辞める時期とボーナス。基準日の前後で変わる
ボーナスを受け取れるのは、6月1日・12月1日の基準日に在職している職員と、基準日前1か月以内に退職した職員です(給与法第19条の4第1項、第19条の7第1項。人事院規則で定める職員は除かれます)。
| 退職の時期 | その期のボーナス |
|---|---|
| 基準日に在職している | 支給される |
| 基準日前1か月以内に退職した | 支給される |
| それより前に退職した | 支給されない |
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私は2018年6月末に財務局を辞めました。ボーナスの基準日を意識して選んだ時期で、夏の基準日(6月1日)を過ぎてから辞めることを意識しました。それを逃すと、次の機会は12月です。月末にしたのは、社会保険の関係と、年次休暇の消化を考えたためです。
自分の年の国家公務員のボーナスを見積もる順番
見積もりは4つの手順で足ります。最新の月数は、毎年8月に人事院が公表する勧告のポイント資料で確認します。
基準日現在の俸給月額に、地域手当を足します。期末手当にはこれに扶養手当も加わります(勤勉手当は含みません)。住居手当は入りません。行政職(一)の3級以上は、さらに加算があります
期末手当と勤勉手当の月数を、人事院の最新の勧告資料で確認します。年度と期で月数が違います
4月採用の1年目の6月は在職2か月で30%。12月は6か月で100%です
勤勉手当は評価で差が付くので、試算は標準的な評価での目安になります
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支給月数と期間率は2026年10月時点で確認した人事院の資料と法令に基づきます。令和8年の勧告は、国会での給与法の改正を経て確定します。
1年目の金額は、2017年の俸給と地域手当を基にした試算です。実際の支給額は職種・勤務地・評価で変わります。
