2026年度の財務専門官のボーダーは、第1次試験が標準点124点、最終合格が306点でした。素点に直すと、基礎能力が基準点の9題でも、専門択一が13題あれば第1次は通る水準です。
私が受けた2016年度は、自己採点が教養27題・専門34題で、最終合格は528人中19位でした。私は財務専門官・特別区・国家一般職の3つに最終合格し、財務専門官の枠で財務局に入って1年3か月働いた元公務員です。
財務専門官のボーダーは標準点の合計で決まる
人事院が公表する財務専門官のボーダーは、正解した問題の数ではなく、試験種目ごとに平均点と標準偏差で換算した標準点の合計で書かれています。2026年度は第1次が124点、最終が306点でした。
124点
第1次試験の合格点(2026年度)
306点
最終合格点(2026年度)
約500点
全種目が平均点のときの標準点の合計
第1次試験の合格者は、基礎能力試験と専門試験(多肢選択式)の標準点を合計して決めます。専門試験(記述式)は第1次の合格者だけを採点するので、記述の点数は最終合格の判定ではじめて入ります。最終は、記述式が基準点以上で、人物試験がA〜Cの評価の人について、全種目の標準点を合計して決まります。
配点比率は基礎能力が2/9、専門択一が3/9、専門記述が2/9、人物が2/9で、専門択一が単独で最大です。2026年度の平均点などの一覧は財務専門官の仕事内容と試験の記事に載せているので、ここでは繰り返しません。
財務専門官のボーダーを素点に直すと、基準点と近い
公表された平均点と標準偏差で素点に戻すと、財務専門官のボーダーは基準点(満点の30%)からそれほど離れていません。標準点の合計でも、基礎能力が9題、専門が12題という基準点ぎりぎりの組み合わせで117点になり、第1次の合格点124点との差は7点です。
| 基礎能力の正解数 | 基礎能力の標準点 | 必要な専門択一の題数 |
|---|---|---|
| 9題(基準点) | 31 | 13 |
| 12題 | 58 | 12 |
| 18題 | 113 | 12 |
| 24題 | 167 | 12 |
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専門択一の12題は基準点そのものです。基礎能力が12題以上あれば、専門択一は基準点を割らないだけで第1次の合格点に届きます。2026年度は受験した1,032人のうち971人(94.1%)が第1次を通っていて、この水準と一致します。
最終合格の306点も、基準点に近い水準です。第1次の合格点にぎりぎりで届く基礎能力9題・専門択一13題(124点)で、人物試験がC(標準点97)なら、記述式は35点(標準点85)あれば306点に届きます。記述式の基準点は30点なので、基準点から5点上積みするだけです。人物試験がBなら、記述式は基準点の30点で足ります。
計算に使ったのは、人事院が公表した2026年度の平均点と標準偏差です。年度が変われば平均点が動き、必要な題数も変わります。それでも、素点の何割を取れば受かるかという探し方よりも、全種目で基準点を割らないことが先にくる、という点は変わりません。人事院の「合格者の決定方法」にも、基準点に達しない種目がひとつでもあれば他の成績にかかわらず不合格と書かれています。
国家一般職のボーダーは、地域によって標準点が大きく変わります。財務専門官は採用区分ごとの合格点が出ていないので、同じ読み方はできません。国家一般職の地域別の数字は国家一般職のボーダーの記事にまとめました。
財務専門官のボーダーと私の点数・順位
私が財務専門官を受けたのは2016年度で、採用区分は関東甲信越です。自己採点は教養27題・専門34題で、専門記述の経済学は8割ほど取れていました。記述の点数は、最終合格のときにもらった席次の通知書の数字から逆算したもので、そのときの平均は5割5分でした。
私の自己採点(2016年度)
教養 27題(当時は40題の試験)
専門択一 34題
専門記述 8割ほど
専門34題を2026年度の平均で換算すると
標準点 236点
専門択一だけで第1次の合格点(124点)を超える
専門34題を2026年度の平均点と標準偏差で換算すると、専門択一だけで標準点236点です。年度が違うので当時の実際の標準点とは別物ですが、専門で8割以上取ると、第1次の合格点に対して余裕が出ることは分かります。
最終合格は528人中19位でした。順位は最終合格の通知で知りました。528人は、人事院が公表している平成28年度の財務専門官の合格者数です。最終合格者のなかでは上位3.6%にあたります。
第1次の直後は、合格を確信していました。いちばん不安だったのは専門記述です。記述式は形式や文章で点が引かれる可能性を考えていました。択一は合っていれば引かれないので、その差は意識していました。第2次の人物試験は面接官3人で、評価は自分の感覚と席次の通知からの逆算で、たぶんAでした。
面接の対策は、大学のキャリアセンターに加えて、ハローワークで開かれていた無料の面談対策イベントにも行きました。同じ年に受けた国家一般職は自己採点が教養23題・専門33題で、手応えの差は特に感じていません。
財務専門官のボーダーを調べた方法と、倍率の変化
ボーダーの目安として見たのは、5ちゃんねるなどネット上の書き込みです。国家一般職のときも、ネットで見ていました。人事院の合格点は、2026年度なら最終合格の発表と同じ8月12日に公表されたので、第1次のあとに見られるのは予想にとどまります。
倍率は、私が受けた2016年度と2026年度で大きく違います。人事院の公表によると、2016年度は申込者4,546人に対して最終合格者が528人で、申込者ベースの倍率は8.6倍でした。2026年度は申込者1,852人、最終合格者511人で3.6倍です。最終合格者の数はほとんど変わらず、申込者が6割近く減っています。
| 年度 | 申込者 | 最終合格者 | 倍率(申込者÷最終合格者) |
|---|---|---|---|
| 2016年度(私が受けた年) | 4,546人 | 528人 | 8.6倍 |
| 2026年度 | 1,852人 | 511人 | 3.6倍 |
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2026年度を第1次の受験者(1,032人)で数えると、倍率は2.0倍です。申込者で数えた3.6倍と受験者で数えた2.0倍は分母が違うので、倍率を比べるときは何で割った数字かを確認してください。2016年度の受験者数は確認できていません。
この数字を見た私の感想は、当時より下がっているので、昔ほど筆記を頑張らなくてもいいのでは、というものです。ただし、倍率が下がったことと、試験が易しくなったことは別の話です。第1次は94.1%が通り、第2次を受けたのは645人、最終合格は511人で、絞られるのは第1次より後ろです。
財務専門官の難易度は、国家一般職や特別区と比べてどうか
私が受けた3つの試験の難易度に、受かりやすさの差は感じていません。どれも勉強すれば難しい試験ではない、というのが実感です。
予備校の難易度ランキングは、特別区と国家一般職の順番が割れています。特別区を国家一般職より上に置くのはクレアールだけで、残りの3社は同格か下に置いています。各社とも、ランキングは目安だと断っています。
| 予備校 | 国家一般職との関係 |
|---|---|
| クレアール | 特別区が国家一般職・裁判所一般職より上 |
| LEC | 国家一般職が特別区・国税専門官より上の層 |
| STUDYing | 財務専門官は国家一般職と同じ層。特別区・国税専門官はその下の層 |
| アガルート | 国家一般職・国税専門官・地方上級が同順位。併願の記事では特別区をその下に置く |
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国税専門官は、国家一般職と同格か、やや下とされています。私は国税専門官を受けていません。財務専門官と同じ日に実施されるので、併願できないためです。国税専門官は、一般の行政職とは別の俸給表が適用される職で、最初は受かりやすさから考えていました。ただ、仕事がハードで、税務調査などの対応が心理的にも厳しい職場だと考えて、財務を選びました。
併願できない組み合わせは公務員試験の併願の記事にまとめています。特別区のボーダーが非公表である点は特別区の記事に書きました。
財務専門官のボーダーを調べる人は、専門科目から固める
財務専門官のボーダーを調べている人には、経済学や財政学などの専門科目をメインに勉強することを勧めます。専門択一の配点が3/9と大きいうえに、専門記述も専門科目の延長で対策できます。
財務専門官は、試験区分の名前が財務専門官になっているだけで、実際には財務局の職員を採用するための試験です。仕事内容は行政職で、俸給表も国家一般職と同じです。財務局は、一部の技術系職員を除いて、一般職試験の合格者から採用する予定はないと採用サイトに書いています。財務局に入りたい人は、この試験で最終合格する必要があります。
2016年度の平均点と合格点は、人事院の当時の資料で確認できていません。私の点数は2026年度の数字で換算しています。第2次試験の人物評価は、席次の通知からの逆算と感覚で、通知書そのものでは確かめていません。当時の教養の題数は、旧構成の40題という理解です。素点への換算は2026年度の平均点と標準偏差によるもので、年度ごとに必要な題数は動きます。
専門科目の選び方は 公務員試験の専門科目は何科目必要? 選び方と勉強の順番、財務局での仕事は 財務専門官の仕事内容と試験 1年3か月で辞めた体験、国家と地方の比べ方は 国家公務員と地方公務員の違い 財務局と特別区を比べて分かったこと にまとめています。
合格点・平均点・人数は、人事院「2026年度 財務専門官採用試験 合格者の決定方法」「合格点及び平均点等一覧」「国家公務員採用試験実施状況」と、「平成28年度年次報告書」の公表値です(2026年10月19日に確認)。年度ごとに変わるため、受験する年の公表値で確認してください。
学習方法に関する記述は個人の受験経験に基づくもので、合格を保証するものではありません。
