令和3年、2回目の論文式。私はこの年、監査論をほとんど勉強していなかった。それでも成績通知書の監査論の欄には「56.30※」と印字されていた。※は一部科目免除の印で、この年の免除の基準は56.0%。0.30だけ上に出ていた。
論文式の監査論は、あまりやらなくていい科目だと私は思っている。
この記事でわかること
- 短答式の監査論は、直近6回のうち4回で平均得点比率が4科目トップだった
- 論文式で、ほぼ勉強しなかった年に免除を取ったときの得点(第1問30.8、第2問25.5)
- 令和9年から、監査論の免除の基準と出題がどう変わるか
公認会計士 監査論、短答式6回分の平均得点比率
短答式の監査論は、受験者全体の平均得点比率が4科目の中で高く出やすい。令和6年から令和8年までの6回のうち、4回で一番高かった。
公認会計士・監査審査会は、短答式の回ごとに科目別の平均得点比率を公表している。6回分を並べるとこうなる。
| 回 | 財務会計論 | 管理会計論 | 監査論 | 企業法 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年 第Ⅰ回 | 46.7% | 43.1% | 59.1% | 53.0% |
| 令和6年 第Ⅱ回 | 48.1% | 49.1% | 57.4% | 51.5% |
| 令和7年 第Ⅰ回 | 45.3% | 41.7% | 52.0% | 51.4% |
| 令和7年 第Ⅱ回 | 47.0% | 42.2% | 44.4% | 47.9% |
| 令和8年 第Ⅰ回 | 49.2% | 48.0% | 50.7% | 51.6% |
| 令和8年 第Ⅱ回 | 39.6% | 46.0% | 51.4% | 45.6% |
太字はその回で一番高い科目。回は試験年の表記で、第Ⅰ回は前年の12月に行われる。公認会計士・監査審査会「試験結果の概要」の各回から拾った。
監査論が一番でなかった2回も、3位と2位にいる。財務会計論はその逆で、6回中5回は監査論より平均が低い。財務会計論の側から同じ6回を見た話は公認会計士 財務会計論の記事に書いた。
配点も違う。短答式は財務会計論だけが200点で、ほかの3科目は100点ずつ。令和8年からは監査論の試験時間が60分から50分に短くなったが、100点という配点は変わっていない。
公認会計士 監査論、短答式は85点前後
短答式の監査論は、85点前後で安定していた。基礎答練では45点だった。
短答式の監査論
大原のテキストと肢別問題集がほとんど。答練はたまに解いた程度
短答と論文の監査論
論文式の監査論
令和3年はほぼ勉強せず、令和4年は免除で受けていない
45点から85点前後へ上げたやり方は、頻出論点に絞って深くやり、低頻出は思い切って捨てる、だった。どの論点を固めてどこを捨てたか、過去問の回し方まで含めた具体は、noteのほうに全部書いた。
論文式の公認会計士 監査論、勉強しなかった年の56.30
令和3年の論文式で、監査論は得点比率56.30を取って一部科目免除を得た。この年は、論文式の勉強がほとんど止まっていた2年間のうちの1年にあたる。
30.8
第1問の得点(50点満点・調整後)
25.5
第2問の得点(50点満点・調整後)
56.30
得点比率。免除の基準56.0%を0.30上回った
成績通知書の問別得点は第1問30.8、第2問25.5で、足すと56.30になる。科目の順位は707位と書かれていた。この順位は、合格者と免除取得者を合わせた中での位置だそうだ。通知書の順位と得点比率の読み方は、3年分の通知書を並べた偏差値の記事にまとめた。この年に免除の印が付いたのは、5科目の中で監査論だけだった。
勉強が止まったのは、コロナで予備校が閉鎖になって気持ちが切れたからだ。その2年間、私はシャドウバースとウマ娘をやっていた。監査論が通った理由を、私は運と国語力だと思っている。WAIS-IVで測った言語性IQが150だった、という話はnoteのほうに書いた。
令和3年の論文式は、合格基準が得点比率51.5%、一部科目免除が56.0%だった。得点比率は素点ではなく、試験委員ごとの採点の差を調整した数字で、合否も免除もこれで決まる。
令和9年からは、この免除の基準そのものが変わる。これまでは「その年の合格者の平均得点比率以上」で、令和3年なら56.0%だった。令和9年からは「その科目の答案提出者のうち上位15%に当たる得点比率」になる。比べる相手が合格者から答案提出者全体に移るので、過去の56%前後という数字は目安にしにくい。合格基準も52%前後から54%へ、3〜4年かけて上がっていく。詳しくは公認会計士試験の合格基準の記事に書いた。
公認会計士 監査論の論文式で、やっておけば足りること
論文式の監査論は、答練で基準集の使い方を覚えて、暗記事項だけ暗記すれば足りる。それ以上はあまりやらなくていいと私は思っている。
合格した3回目の論文式では、監査論は免除だったので受けていないし、勉強もしていない。下の2つは、3回目にやったことではなく私の考えだ。
- 答練で基準集の使い方を覚える。論文式では、監査基準報告書などを収めた法令基準等が試験場で配られる。答練の中で、どの論点がどこに載っているかに慣れておく
- 暗記事項は暗記する。たとえば、なぜ監査のローテーション(監査人を一定期間で交代させる仕組み)があるのか。こういう理由づけは覚えておく
合格した3回目に租税法と経営学へ寄せた判断は、noteにまとめた。この記事の次に読むなら、末尾に置いたその1本を薦める。
公認会計士 監査論と監査法人の8か月
監査論は実務に一番近い科目だから、監査法人で働けば分かる。そういう話をよく見るが、私の8か月では、試験の監査論と仕事はほぼつながらなかった。
Excelをいじっていた。
8か月の間、仕事で試験の監査論を思い出す場面はほぼ無かった。試験は試験として、基準集と暗記事項で点にすればいい。
令和9年から公認会計士 監査論にも英語の出題
令和8年12月13日の短答式(令和9年第Ⅰ回)から、監査論にも英語の出題が入る。対象は企業法を除く3科目で、配点は3科目合わせて短答式の総点数の5〜6%程度とされている。
| 対象科目 | 財務会計論、管理会計論、監査論 |
|---|---|
| 配点 | 3科目の英語出題を合わせて、短答式の総点数の5〜6%程度 |
| 出題範囲 | 日本語の出題と基本的に同じ。会計と監査の基本的な事項の理解を問う |
| 監査論の除外 | 企業会計審議会で検討中の監査基準の改訂と、それに関連する実務指針の改正は、令和9年短答式の英語出題の範囲に含めない |
日程と英語出題の全体は公認会計士試験の日程の記事にまとめてある。 短答式当日の会場や持ち物、待ち時間は公認会計士試験の当日に書いた。
差がつくかどうかは得点のばらつきで決まる。科目別のばらつきは公表されていないので、監査論の平均が高いことが差のつきにくさを意味するのかは確かめられない。
英語の出題について確認できたのは3科目合計の割合までで、監査論で何問、どんな形式で出るかは分からない。私自身、英語の出題がある回は受けていない。
監査法人に何年もいた人にとって、試験の監査論がどれだけ仕事につながるのかも、8か月で辞めた私には分からない。
論文式の3回目で租税法と経営学に寄せた話と、2年止まった経緯は、こちらに書いた。
公認会計士試験の制度そのものについては 公認会計士試験 カテゴリーで扱っています。
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